史上最高のNBA選手が誰であるかは永遠の議題かもしれませんが、”神秘性”に関して言えばマイケル・ジョーダンのような選手は存在しなかったと言えるでしょう。
素晴らしいスキル、強烈な個性、そして成し遂げた偉業の数々が、ジョーダンに神秘的な存在感を与えているのは疑いようのないことです。
そして、その”神秘性”は他の選手――スーパースターであっても、恐ろしいほどのものだったようです。
NBAレジェンドのスティーブ・ナッシュは先日、元NBA選手のスティーブン・ジャクソンとマット・バーンズが司会を務めるポッドキャスト『All The Smoke』に出演し、ジョーダンの印象について語りました。
「当時の我々はインスタグラムやYouTubeが使えず、生で試合を観戦することもできなかったから、必ずテレビでMJを観ていた。彼は才能とスキルに加え、カリスマ性も持っていた。彼が精神面でどれだけ素晴らしいかは知っているよね。私が今まで対戦してきたどの選手とも違っていたのは、彼との対戦が本当に怖かったということだ。私はリーグの特定の選手に恐怖を抱いたり、とても尊敬したりすることはなかったのにね」
テクノロジーの発展という意味では、ナッシュのコメントは非常に興味深いものがあります。
当時はジョーダンの印象をほとんどテレビを通じてしか得られなかったものが、今ではボタンひとつで試合のハイライトや、コートの外での出来事を知ることができるようになりました。
恐怖の点で言えば、もしジョーダンがコートの外で子どもたちとバスケットボールを楽しんでいる様子がソーシャルメディアで拡散されれば、彼に対する恐怖心はもっと少なかったことでしょう。
また、ナッシュのコメントはいかにジョーダンが支配的であったかも示しています。
彼は常に勝利し、信じられないようなスタッツを記録していただけでなく、精神的にも他の選手たちを苦しめていました。