7月30日(日本時間31日)のNBAのシーズンが再開した後、そこで行われるバスケットボールがどのような形を持っているのかは想像できません。
選手は4ヶ月以上に及ぶ試合の無い時間を過ごしていたため、最初の数試合がずさんなものだったとしても不思議ではないでしょう。
しかし一方で、そうした予期せぬ出来事は、これまで正当な脅威としてみなされなかったチームが何かを起こす可能性があることも意味します。
シーズン再開後に最も”ダークホース”になり得るチームは、おそらくダラス・マーベリックスです。
基本的に第7シードという位置づけは注目を浴びにくいものですが、マーベリックスをただの低シードのチームとして見るのは愚かだと言えるでしょう。
マーベリックスにはルカ・ドンチッチとクリスタプス・ポルジンギスの若きスターデュオが存在しますが、彼らはシーズンが中断される前に怪我の問題に対処しており、12月から2月にかけて両者は合計で24試合に欠場していました。
4ヶ月以上の休息は、ドンチッチとポルジンギスを完全な健康状態に戻すには十分すぎる時間です。
そして、それはシーズン序盤の健康状態と、シーズン中断前の相性を融合させることを意味します。
前者では、ドンチッチがシーズンMVP候補の一人として躍動し、後者では、ポルジンギスがセンターとして起用された時にドンチッチとの相性が格段に良くなりました。
結果的に、シーズンが中断される最後の1ヶ月でドンチッチとポルジンギスは1試合あたり平均して計52得点を記録しています。
そこに万全のコンディションが加われば、両者が一貫して30点近い数字を記録するのも夢ではないでしょう。
ドンチッチとポルジンギス以外にも、チームに貢献できる選手は多くいます。
例えば、セス・カリーやティム・ハーダウェイJr.は3ポイントシュート成功率40%を超える優秀なシューターとして、得点を挙げて直接的な貢献をすることも、スペーサーとして間接的な貢献をすることもできます。
彼らほどではないにしても、ドリアン・フィニー・スミスはこれまでのキャリアとは打って変わって3ポイントシュート成功率を大幅に向上させ、ポストやペリメーターのディフェンスで自身の持ち味を発揮してきたビッグマンのマキシ・クリーバーも、3ポイントシュート成功率37.4%を記録しました。
また、マーベリックスは8試合のうち4試合(フェニックス・サンズが2試合、ポートランド・トレイルブレイザーズとサクラメント・キングスが1試合ずつ)が、現時点でプレイオフ圏外のチームとの対戦となっています。
ウェスト7位のマーベリックスが2.5ゲーム差で追いかける同5位のオクラホマシティ・サンダー、同6位のヒューストン・ロケッツは、マーベリックスよりも対戦相手の勝率が高い日程であるため、マーベリックスは順位を1~2位ほど上げることができるかもしれません。
順位を上げることができた場合、プレイオフでロサンゼルス・レイカーズや、ロサンゼルス・クリッパーズとファーストラウンドで対戦する可能性は格段に減ります。
ウェスト3位のナゲッツも当然ながら強豪チームですが、今シーズンのマーベリックスはナゲッツとの対戦で2勝1敗と勝ち越しています。
そして、マーベリックスがプレイオフの深いところまで進むことができれば、本来の試合感覚を取り戻すとともに、自信をつけることでより脅威的な存在となるかもしれません。
健康的なスターと厚い選手層、そして比較的有利な日程を持つマーベリックスであれば、シーズン再開後のリーグに波乱を呼ぶことが期待できるでしょう。