サンアントニオ・スパーズは昨シーズンまで22年連続プレイオフ進出という偉業を成し遂げてきましたが、今シーズンは現時点で27勝36敗でウェスタン・カンファレンス12位と、同期間で最も低い成績を残しています。
オーランドでのシーズン再開に招かれたとはいえ、プレイオフ進出の最後の枠である第8シードを――スパーズを含む6チームで――わずか8試合で争わなければならないことを考えると、スパーズのプレイオフ進出の期待値はそれほど高くないというのが正直な意見となるでしょう。
そして、その状況を誰よりも理解しているのが、22年連続プレイオフ進出に欠かせない存在であったスパーズのグレッグ・ポポビッチ・ヘッドコーチです。
『San Antonio Express News』のジェフ・マクドナルド記者によれば、ポポビッチHCはシーズン再開後のチームの方針について、次のように語りました。
「プレイオフに進出できるほどのプレイができれば、それは素晴らしいことだ。だが、今は育成を目標としている」
それはすなわち、23年連続プレイオフ進出をほとんど諦めると言っても過言ではありません。
ポポビッチHCは「特定の状況にある我々にとっては、育成は何よりも重要」と付け加えました。
「レイカーズやクリッパーズ、セルティックス、ラプターズ、ロケッツ、ナゲッツ、あるいは他の選手とのマッチアップをどのように対処しようというのは、あまり気にしていない」
ファンにとってはスパーズの偉業が途切れることは残念かもしれませんが、スパーズにとってはシーズン再開後の8試合を若手選手の育成にあてるのは、非常に理にかなった選択です。
7度のオールスター出場経験を持つ35歳のラマーカス・オルドリッジは、今年4月に肩の手術を行ったことでシーズン再開後のプレイができないことが決まっていました。
トレイ・ライルズも最近、虫垂炎の手術のために離脱することが報じられました。
彼らの出場時間を23歳のデジャンテ・マレーや21歳のロニー・ウォーカー四世、20歳の新人であるケルドン・ジョンソンに与えることによって、若手選手が競争力のあるチームと戦う素晴らしい機会と捉えることができるようになります。
そのため、選手たちもポポビッチHCが語ったチームの方針に理解を示しました。
ジョンソンは「機会さえあれば良い機会」と語っています。
「どこで起用されても、何をするにしても、出場してプレイすることにワクワクしている」
32歳のルディ・ゲイも、若い選手たちのメンターとなる機会を楽しんでいると語りますが、一方で、若い選手たちを中心に起用するからといってプレイオフ進出が不可能になるわけではないとも信じています。
「彼らはここに来て必死に取り組んでいる。本気で何かを証明したがっているんだ」
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スパーズが今シーズンのプレイオフ進出を果たせるかどうかは別にしても、既にポポビッチHCとスパーズは十分すぎるものを証明してきました。
偉大な記録が途切れたとしても、若い選手たちに証明の機会を与えることによって、彼らは次に明るい将来を見ることができるようになるでしょう。