オクラホマシティ・サンダーとフェニックス・サンズの間で、スター選手のクリス・ポールを含むトレードが合意されたことを、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が報じています。
ウォジナロウスキー記者によれば、両チームが放出した選手や資産は以下のようになっています。
サンダー | サンズ |
クリス・ポール アブデル・ネイダー | ケリー・ウーブレイJr. リッキー・ルビオ タイ・ジェローム ジェイレン・レキュー 2022年ドラフト1巡目指名権 |
昨年のオフシーズンにラッセル・ウェストブルックとのトレードでヒューストン・ロケッツからサンダーに移籍した頃から、ポールが再びトレードされる噂は広まっていました。
しかし、当初の予想に反してポールは1年間をサンダーで過ごしただけでなく、2016年以来初めてとなるキャリア10回目のオールスター出場を果たし、再建に移行すると思われていたチームをウェスタン・カンファレンス5位という好成績に導きました。
もしもロスターを維持した場合、サンダーは来季のプレイオフ争いも望めたかもしれませんが、彼らはそれでも再建の道を進むことを決めています。
サンダーは昨季のシックスマンの最終候補に選出されたデニス・シュルーダーもロサンゼルス・レイカーズにトレードしており、このオフシーズンにフリーエージェントを迎える32歳のダニーロ・ガリナリとも、再契約を結ぶ可能性は低いと考えられています。
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レイカーズのダニー・グリーンと、サンダーのデニス・シュルーダーのトレードが合意へ
今回のトレードで獲得したリッキー・ルビオや、シュルーダーのトレードで獲得したダニー・グリーンはどちらもベテランの選手ですが、サンダーが若い選手を中心としたチームを構築しようとしていることは明白です。
サンダーは2つのトレードでドラフト1巡目指名権を2つ獲得しており、既に潤沢なドラフト1巡目指名権をさらに増やすことになりました。
『Forbes』のトミー・ビール記者によると、サンダーは2022年の1巡目指名権を3つ保持しているほか、2026年までの1巡目指名権を各年で2つ以上保持しています。
また、サンズとのトレードで獲得した24歳のケリー・ウーブレイJr.は、サンダーの再建にフィットする若い選手です。
彼は今年2月に右ひざ半月板損傷の怪我を負い、残りの試合を欠場することになりましたが、離脱前は56試合(平均34.5分)の出場で18.7得点、6.4リバウンド、1.3スティール、フィールドゴール成功率 45.2%、3ポイントシュート成功率 35.2%を記録していました。
一方、サンズは10年連続プレイオフ未進出の歴史に終止符を打つため、可能な限り最高のトレードを成立させたといっても過言ではないかもしれません。
彼らは2019‐20シーズン再開後の8試合のシーディングゲームズで唯一の全勝を記録しており、プレイオフ進出こそ惜しくも及ばなかったものの、チームの将来に希望があることを証明しました。
若きスターであるデビン・ブッカーや、2018年のドラフト1位指名であるディアンドレ・エイトンといった主力にベテランのポールが加わることで、間違いなくサンズはプレイオフ進出を望めるチームへと変貌することになります。
ポールの獲得には、大規模な市場を持つニューヨーク・ニックスや、競争力の高いミルウォーキー・バックスといったチームも関心を示していましたが、ポールはサンズへの移籍に満足しているようです。
『ESPN』のブライアン・ウィンドホルスト記者は先週、トレードを成立させるためにはポール自身の許可が必要であり、実際にポールはサンズへの移籍に関心を持っていたことを報じました。
ポールはロサンゼルスに自宅を持っており、フェニックスがロサンゼルスに近いことが彼の移籍を後押ししている理由の一つだと言われています。
このオフシーズンに最も注目されていたトレード候補の一人であるポールの噂は収束を迎えますが、サンダーとサンズの両チームの今後の動きは引き続き注目する必要があるでしょう。
サンダーはポールとシュルーダーを放出しましたが、同様にセンターのスティーブン・アダムスもトレード候補の一人として関心を集めている選手です。
一方、ポールの獲得によって競争力を得るサンズは、11月18日(日本時間19日)に開催される2020年のNBAドラフトで全体10位指名権を保持しているため、まずはこの資産で有望な選手を指名するのか、あるいは別の選手を獲得するための駒とするのか、目が離せません。
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