ダラス・マーベリックスのオーナーであるマーク・キューバンは、ゴールデンステイト・ウォリアーズの元ヘッドコーチであるマーク・ジャクソンが再びコーチ職に戻るべきだと信じています。ジャクソンは2014年に解任された後、この6年間で一度もコーチを務めていません。
『Heavy』とのインタビューの中で、キューバンはジャクソンについて次のように語りました。
「明らかにマークには才能があり、ウォリアーズを立て直すことに成功した。彼に仕事が無い理由が分からない。とはいえ、NBAには私の知らないことがたくさんあるからね」
NBAで17年間のキャリアを過ごしたロッド・ストリックランドもまた、ツイッター上でキューバンの考えに賛同しました。
100%賛成だ。素晴らしいバスケットボールのマインドを持った人物の一人。選手としても、コーチとしても、周囲から勝者と思われるような術を持っていた。
Rod Strickland
ジャクソンは2011年にウォリアーズの指揮官に就任した後、3シーズンで通算121勝109敗を記録しました。彼が評価されるべき功績といえば、ステフィン・カリー、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンをスター級の選手まで成長させたということでしょう。しかし、ウォリアーズを20年以上ぶりに2年連続プレイオフ進出に導いたにも関わらず、プレイオフの1回戦敗退によって2014年5月にヘッドコーチを解任されました。
ジャクソンが築き上げた基盤がいかに素晴らしかったかは、すぐに知れ渡ることになりました。スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)が彼の職を引き継いだ後、ウォリアーズは5年連続NBAファイナル進出、3度の優勝、そしてレギュラーシーズンの史上最多勝記録の更新といった数々の功績から王朝時代を迎え、リーグ最大の脅威となったためです。
ウォリアーズと別れて以降、ジャクソンは『ESPN』のアナリストとしてテレビで仕事を行ってきました。ただ、それは彼がコーチ職を諦めたというわけではありません。今年5月、『First Take』に出演したジャクソンは「またコーチができる日を楽しみにしている」と語っていました。
「NBAでの仕事は30チームでやれる。1チームに絞るようなことはしないよ。またいつの日か、コーチができる日を楽しみにしている。それは私の夢でもあるんだ。ゴールデンステイトで3年間素晴らしいコーチができ、素晴らしい関係を築き、ある程度の成功を収められた。またどこかで挑戦できることを楽しみにしている」
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元ウォリアーズ指揮官のマーク・ジャクソン「またコーチができる日を楽しみにしている」
しかし、一方でジャクソンのコーチ職復帰に懐疑的な人物もいます。彼が現役時代にインディアナ・ペイサーズでチームメイトだったアル・ハリントンはその一人で、ジャクソンが「のけ者にされている」と語りました。
「(ウォリアーズの)組織にはジェリー・ウェストが居たと思うし、彼は強い影響力を持っていた。彼がそうしたとは言わないが、誰かがジャクソンをのけ者にしたんだ。彼は実際に優れたコーチだったが、それだけでは意味がない。中には3年間、3シーズンで状況を把握して優勝に導いたコーチもいる。…彼は今もヘッドコーチやアシスタントコーチの候補として浮上しているが、仕事は一切得られていない」
ハリントンが「のけ者」にしたという人物の一人は、ウォリアーズの過半数オーナーであるジョー・レイコブかもしれません。2014年12月、レイコブは『SB Nation』を通じてカーHCの働きを称賛するとともに、ジャクソンを評価できない点について語っていためです。
「彼(カーHC)は素晴らしいコーチになると思う。彼は私がマーク・ジャクソンに望んでいた何よりも大きなことをやってくれた。彼(ジャクソン)にはできなかったことだ。正直に言って、最高の雇用だと感じているよ」
「(ジャクソンを解任した)理由の一つは、彼が組織内の誰とも上手くやれなかったことだ。彼は素晴らしい仕事をしてくれたし、多くの点で彼を高く評価している。しかし、組織内で200人もの人間に好かれないことは評価できない」
もちろんキューバンやストリックランドが言うように、ジャクソンの指揮官としての手腕は期待できるものがあります。しかし、ヘッドコーチやアシスタントコーチの候補に何度も挙げられながら、最終的にコーチ職に復帰できない理由はレイコブが語ったような懸念があるためなのかもしれません。才能の面で優れていても、人間性の面で懸念があれば、チームはそれだけで雇用を思いとどまるでしょう。
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