昨季のシーズン中断前、若きセンターであるクリスチャン・ウッドはデトロイト・ピストンズで大きな飛躍を遂げていました。最大の理由の一つは、チームの主力センターであったアンドレ・ドラモンドがクリーブランド・キャバリアーズにトレードされたためであり、これによってウッドは最後の15試合で平均22.3得点、9.5リバウンド、1.9アシスト、フィールドゴール成功率 56.0%、3ポイントシュート成功率 41.0%を記録しました。
しかし、ピストンズはウッドをチームに残しませんでした。代わりに、無制限フリーエージェントとなったウッドは3年4,100万ドルの新たな契約でヒューストン・ロケッツにサイン&トレードされました。
昨季のウッドの成長は決して偶然ではなかったようです。彼は新天地で人々の期待に応えています。今季はここまでの12試合の出場で平均23.5得点、10.8リバウンド、1.4アシスト、1.8ブロック、フィールドゴール成功率 52.8%、3ポイントシュート成功率 36.2%を記録しました。ロケッツは5勝9敗でウェスタン・カンファレンス14位と上手くいっていないものの、ウッドがチームの再建の希望であることは明らかです。
彼はもうピストンズの一員ではありません。しかし、彼の活躍を今でも見守っている者はいます。ピストンズのドウェイン・ケイシーHC(ヘッドコーチ)はそのうちの一人です。
『Detroit Free Press』のオマリ・サンコファ二世記者によると、ケイシーHCはウッドの成長を称賛しました。
「彼はヒューストンの頼れる選手となった。リーグの多くの若い選手と同じように、成長する時が来たんだ。対戦相手にしたくないほど、彼のことを誇りに思っているよ」
ウッドが今日の選手になると最初から分かっていた者はおそらく居ないでしょう。彼は2015年にドラフト外からNBA入りを果たした後、2019年にピストンズと契約を結ぶまでの4年間で海外を含めて4チームに所属していました。
それでも2019-20シーズン開幕前のプレシーズンで印象を残したことによって、ウッドはピストンズのローテーションプレイヤーとしてコートに立つ機会を与えられました。ウッドは昨季のピストンズで62試合に出場したのに対し、彼がそれ以前の4年間でNBAのコートに立ったのは計72試合でした。
ピストンズがウッドと再契約を結ばなかった理由は、彼らが別のフリーエージェントであるジェレミー・グラントと3年6,000万ドルで契約を結び、キャップスペースに余裕が無くなったためでした。幸いにも、グラントも今季平均25.4得点、6.1リバウンド、2.6アシスト、フィールドゴール成功率 47.3%、3ポイントシュート成功率 38.9%と大きく飛躍しているため、ピストンズの賭けは決して悪いものではないでしょう。しかし後になって考えてみると、ウッドとグラントのデュオを何とかして完成させることはできなかったのかと思わずにはいられません。
ケイシーHCも願わくばウッドを残留させたかったと語りました。
「我々も彼を残留させたかったが、十分なものがなかった。彼は特別な選手。明日の夜(ロケッツ戦)を除いて、彼の成功を祈っているよ」
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