イースタン・カンファレンス決勝第4戦、トロント・ラプターズがミルウォーキー・バックスに120-102と快勝して2勝2敗のシリーズタイと戻したことで、このシリーズは熱くなっています。
今回は、そんな第4戦で見えた”5つの注目ポイント”を見ていくことにしましょう。
カワイ・レナードは100%では無かった
第3戦でダンクを試みた際に足をひねったようなシーンが見受けられたレナードは、試合後に完全に健康だと明言しました。
しかし第4戦が始まった時、彼が完全な健康状態に戻っていないことは明らかで、オーランド・マジックとのファーストラウンド第3戦以降最も低い19得点に終わっています。
それでも彼は、バックスのヤニス・アデトクンボのブロックをかわしてダンクを決めるなど、十分なプレイを続けました。
ラプターズはこれまでの大半でレナードに頼ってきましたが、彼が疲労と怪我で100%の状態で無かったとしても、勝利を挙げられたというのは価値があることでしょう。
バックスのガードの不振
バックスのガードであるエリック・ブレッドソーと、マルコム・ブログドンのショットが決まれば、チームの勝利を引き寄せることは可能になります。
しかし、第4戦でそれは起きませんでした。
ブレッドソーは、フィールドゴール7本中2本成功の5得点と第3戦に引く続き苦しみ、第3戦で20得点を記録したブログドンも、フィールドゴール11本中2本成功の4得点に終わっています。
アウトサイドはともかく、インサイドでもショットを外しすぎたのは、バックスにとって思わぬダメージとなったはずです。
ラプターズのベンチメンバーの大仕事
ラプターズのニック・ナースHCは、8人のローテーションを見直し、それが功を奏すこととなりました。
特に第4戦でのベンチメンバーの働きは素晴らしく、第1戦から第3戦と比較した以下のスタッツを見れば一目瞭然です。
選手 | ノーマン・パウエル | サージ・イバカ | フレッド・ヴァンブリート | |||
試合 | 第1戦~第3戦 | 第4戦 | 第1戦~第3戦 | 第4戦 | 第1戦~第3戦 | 第4戦 |
出場時間 | 21.4 | 32 | 19.6 | 24 | 22.7 | 25 |
得点 | 13.0 | 18 | 5.7 | 17 | 3.3 | 13 |
プラスマイナス | -3.7 | +29 | -8.0 | +24 | -8.7 | +25 |
最も興味深いのは、3人のプラスマイナスがいずれも+20以上を記録しているという点であり、スターターでさえ最も高いのはレナードの+16でした。
そしてラプターズはこのシリーズで初めて、ベンチからの得点でバックスを上回っています。(48-23)
ブルック・ロペスがショットの機会に恵まれなかった
バックスは第1戦でも同様に大きくリードを離されましたが、その日は第4クォーターにブルック・ロペスが3本のスリーポイントシュート成功を含む13得点を記録し、チームの勝利に貢献しました。
ラプターズは、同じ過ちを繰り返しません。
この日、ロペスは試合を通じてフィールドゴール5本中3本成功、スリーポイントシュート3本中2本と少ない試投数となり、わずか8得点で終えました。
ロペスのショットの少なさは、ラプターズがシリーズを振り出しに戻せた理由の一つとも言えるでしょう。
ウォリアーズとの戦いを見据えなければならない
ゴールデンステイト・ウォリアーズは既にNBAファイナル進出を決めたことで、彼らは次の試合までに9日間の十分な休息があります。
一方で、バックスとラプターズは第4戦の時点で2勝ずつ分けたため、このシリーズが第6戦まで続くこととなりました。
両チームにとって第7戦までもつれることは、ほとんどウォリアーズの勝利を意味するでしょう。
第7戦で勝利したとしても、その2日後にはNBAファイナル第1戦が待ち受けているからです。