今年3月に中断されたNBAの2019-20シーズンは、7月30日からオーランドのウォルト・ディズニー・ワールドで再開され、招待された計22チームがプレイオフ進出やシードを懸けてそれぞれ8試合のシーディングゲーム(順位決定戦)を戦います。
ここでは、各チームごとのシーズン再開後の展望についてチェックしてみましょう。
今回はボストン・セルティックス編です。
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シーズン再開後の各チームの展望
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対戦日程(カッコ内は日本時間)
- 7月31日(8月1日):ミルウォーキー・バックス
- 8月2日(3日):ポートランド・トレイルブレイザーズ
- 8月4日(5日):マイアミ・ヒート
- 8月5日(6日):ブルックリン・ネッツ
- 8月7日(8日):トロント・ラプターズ
- 8月9日(10日)オーランド・マジック
- 8月11日(12日):メンフィス・グリズリーズ
- 8月13日(14日):ワシントン・ウィザーズ
主な離脱選手
なし
注目ポイント
今シーズンのセルティックスはシーズンが中断されるまでの間に、オフェンシブ・レーティング(100ポゼッションあたりの平均得点)とディフェンシブ・レーティング(100ポゼッションあたりの平均失点)の両方で、リーグ5位以内にランクインしました。
この条件を満たしているのは、他にロサンゼルス・レイカーズとロサンゼルス・クリッパーズだけであることを考えると、セルティックスはシーズン再開後に優勝候補の一角として期待される理由を持っていると言えるでしょう。
とはいえ、5ヶ月近いシーズン中断によって選手たちのパフォーマンスの質は落ちてしまっているため、早い段階で本来の姿を取り戻しておきたいのはセルティックスも例外ではありません。
彼らはシーズン中断によって、特にケンバ・ウォーカーの膝を休ませることができる恩恵を得ています。
今年のオールスター以降、ウォーカーはわずか4試合しか出場しておらず、平均14.5得点、フィールドゴール成功率30.5%、3ポイントシュート成功率25.0%と大きく成績を落としていました。
そのような状態でプレイオフに進んでいたら…と考えると、セルティックスにとっては恐ろしいかもしれませんが、幸いにもウォーカーは長い中断期間を経たことによって膝の状態を楽観視しています。
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左膝の健康状態について語ったケンバ・ウォーカー「状態は良くなっている」
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セルティックスはシーディングゲームよりもプレイオフに焦点を当てる必要があるため、ウォーカーはあまり望まないかもしれませんが、シーディングゲームの数試合は出場時間に制限がかかる可能性もあるでしょう。
それでも、ウォーカーが完全に健康になった時のセルティックスは非常に強力です。
オールスター直前のクリッパーズ戦で勝利した時、ウォーカーがトリプルダブル級のパフォーマンス(19得点、9リバウンド、7アシスト)を見せ、ジェイソン・テイタムが39得点、マーカス・スマートも31得点を記録しており、彼らがプレイオフでも同様の強さを再現することができれば言うことはありません。
また、ウォーカーが膝の問題に対処している間、テイタムはまさにチームの”エース”と呼べるような活躍を続けていました。
オールスター以降、テイタムは9試合で平均29.9得点とオフェンス面で脅威となっただけでなく、ディフェンス面でも1ポゼッションあたりの平均失点はリーグ7位(最低500ポゼッション)の0.836ポイントを記録しています。
テイタムはたった1シーズンで、新進気鋭の若手選手から真のスター選手に成長したと言えるでしょう。
彼に対する唯一の疑問は、そのパフォーマンスをプレイオフでも見せられるかということです。
我々は過去2シーズンに渡ってテイタムがプレイオフで活躍する姿を見てきましたが、今シーズンの彼には、これまで以上に比べてチームを背負うという大きな責任とプレッシャーがついています。
そのような環境の中で結果を残すことができれば、スターの地位を確立したテイタムは”スーパースター”の地位にも足を踏み入れることになるでしょう。
ただ、セルティックスはカンファレンス決勝やNBAファイナル進出を見据える前に、第1ラウンドを最も心配した方がいいかもしれません。
もし現時点の成績のままプレイオフに進出した場合、セルティックスは第1ラウンドでフィラデルフィア・76ersと対戦することになりますが、今シーズンのセルティックスは76ersに対して1勝3敗と負け越しています。
特に、76ersのジョエル・エンビードの天敵とも言われたアル・ホーフォードが、昨年の夏にセルティックスから76ersへ移籍してしまったため、セルティックスが彼らと第1ラウンドで対戦するのはできる限り避けたいシナリオです。
76ersがシーズン再開後に順位を上げることにも期待はできますが、イースタン・カンファレンス3位のセルティックスは同2位のトロント・ラプターズよりも優位な日程を持っているため、可能であれば自分たちの手で第1ラウンドの対戦相手を変えておきたいところでしょう。
この数年間、十分な成績を残しつつもカンファレンス決勝の壁を超えることができないセルティックスが、2010年以来のNBAファイナル進出を果たせるかどうか注目です。