ゴールデンステイト・ウォリアーズのステフィン・カリーを選手としてどう評価するかは別にしても、彼がフランチャイズにとって最も価値のある選手――すなわちMVPであることは間違いありません。
カリーはウォリアーズは押し上げる”エンジン”であり、彼が相手を引きつけることによって他の選手の助けにもなります。
その結果、カリーは2015年と2016年に2年連続でシーズンMVPを受賞し、2015年にはフランチャイズを40年ぶりの優勝に、2016年にはシーズン最多勝となる73勝に導きました。
その2年間で残してきたカリーのスタッツと功績をまとめてみましょう。
- 1試合あたり平均33.0分の出場で、平均26.9得点、4.8リバウンド、7.2アシストを記録。
- フィールドゴール成功率は49.6%、3ポイントシュート成功率は45.0%、フリースロー成功率は91.0%を記録。
- 2016年には超一流シューターの証である”50-40-90”を達成し、そのシーズンで記録した平均30.1得点は、”50-40-90”を達成した選手史上最も高い平均得点。
- 2度のオールスター選出とオールNBA1stチーム受賞、1度の優勝を経験。
2016年のファイナルではクリーブランド・キャバリアーズに敗れましたが、この2年間でカリーが世界最高の選手の一人であることを誰もが認めたのは確かです。
彼のリーダーシップと多様な手段で試合に影響を与える能力こそ、完全な健康状態であるウォリアーズがリーグの脅威と思われていた一つの理由だと言えるでしょう。
では、カリーが再び――つまり自身3度目のMVPを受賞することは可能なのでしょうか?
結論から言うと、32歳を迎えるカリーにとってMVPを受賞することは決して不可能ではありません。
がしかし、簡単なことでもありません。
1956年以降、32歳以上でシーズンMVPを受賞した選手はスティーブ・ナッシュ、カリーム・アブドゥル・ジャバー、カール・マローン、マイケル・ジョーダンの4人だけです。
その少なさこそ、ベテランの選手がMVPを受賞することの難しさを物語っているとも言えます。
では、カリーが再びMVPを受賞するにはどのようなスタッツを残せばいいのか、彼らのスタッツに基づいて見てみることにしましょう。
- 少なくとも1試合あたり平均33.0分の出場で、平均24.0得点、4.0リバウンド、7.0アシスト、1.0スティール、0.5ブロックを記録。
- シュートに関しては再び”50-40-90”に近い成功率が必要。
- ウォリアーズが最低でもレギュラーシーズン全試合のうちの75%に勝利。
得点やリバウンド、アシストの面では、今のMVP争いをしているヤニス・アデトクンボやレブロン・ジェームズ、ジェームズ・ハーデンと比較すると、あまりインパクトがあるとは言えません。
そのためにカリーに求められるのは、再び高いシュート精度を披露することと、彼を中心としたチームがまだ成功を収められると証明することです。
新型コロナウイルスの影響で2019-20が短縮されたため、カリーは通常よりも長いオフシーズンを活用して完全な健康を取り戻し、2020-21シーズンに備えることができます。
そして2020-21シーズンも短縮される可能性があることを考えると、カリーがMVPを受賞するには最も適したシーズンと言えるでしょう。
ただし、年を重ねれば重ねるほどMVPの受賞はより困難になります。
アデトクンボやルカ・ドンチッチなども現代のMVPで台頭しつつあることを考えると、来シーズンはカリーがMVPを受賞できる事実上最後のシーズンとなるかもしれません。
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