以前、フィラデルフィア・76ersのエルトン・ブランドGMは、チームの若きスター選手であるベン・シモンズやジョエル・エンビードをトレードしないことを明かしました。
「ベンやジョエルをトレードするつもりはない。私は彼らをより良く補うことを目指している。彼らはそれぞれ24歳と26歳だ。できる限り彼らにフィットするように(補強を)進める。彼らはここに残ることを望んでいる」
NBC Sports
しかし、『New York Times』のマーク・スタイン記者によれば、76ersは以前ヒューストン・ロケッツのヘッドコーチを退任したマイク・ダントーニを、新たな指揮官候補の一人として挙げているようです。
これは明らかに不思議な狙いです。
ダントーニはアウトサイドシュートや速いペースを基調としたスモールラインナップを駆使して成功を収めたコーチであり、それ以外の部分では苦労していました。
今年のトレード期限直前にロケッツが主力センターのクリント・カペラを放出したのも、ダントーニの目指すスモールラインナップの理想像に近づけるための動きだったと言えるでしょう。
したがって、アウトサイドシュートを打てないシモンズと、ポストプレイを得意とするエンビードは、ダントーニのコーチングスタイルに適合しないことになります。
これによって『Yahoo Sports』のキース・スミス記者は、76ersがダントーニを新たなヘッドコーチとして雇った場合、彼らはシモンズやエンビードのトレード交渉を受け入れることを各チームに知らせている――という噂が広まっていることを伝えました。
-
将来の不確実性について語ったジョエル・エンビード、過去数年間のチームの補強については疑問
続きを見る
76ersは先にトバイアス・ハリスやアル・ホーフォードの高給に手を打つべきという意見もあるでしょう。
しかし、来季にハリスは3,435万ドル、ホーフォードは2,750万ドルの契約を結んでおり、両者ともに複数年の契約を残していることを考えると、今季の結果を見た後で彼らを望んで獲得しようと考えるチームが居るかどうかは怪しいところです。
そして、彼らを放出したところで、シモンズとエンビードの相性の問題が解決されるわけではないのです。
もちろんスタイン記者が報じているように、76ersはクリッパーズのタロン・ルーAC(アシスタントコーチ)もヘッドコーチの最有力候補に挙げているため、必ずしもダントーニを雇用すると決まっているわけではありません。
ただ、ダントーニのコーチングスタイルがシモンズやエンビードに適合しないことが明らかであるにも関わらず、76ersが彼をヘッドコーチの最有力候補の一人にしているというのは興味深い部分です。
水面下ではシモンズやエンビードのトレードが検討されていると考えることもできるでしょう。