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球団史上初のNBAファイナルに到達したラプターズ「ここに辿り着くまでに長い時間がかかった」

トロント・ラプターズの球団社長であるマサイ・ウジリ氏の犯したリスクがどれほど効果的であったのか、それは今証明されました。

カワイ・レナードとマーク・ガソルをトレードで獲得し、2017年にはカイル・ラウリーと3年間の契約延長を結び、昨季に最優秀ヘッドコーチ賞を受賞したドウェイン・ケイシー氏を、NBAでのコーチ経験の無いニック・ナース氏に変更した時、これほど全てが上手くいくと思えたでしょうか。

2年前にレブロン・ジェームズとクリーブランド・キャバリアーズに、このカンファレンス決勝の舞台でスウィープされ、昨年もレブロンとキャバリアーズにスウィープされましたが、それでもラプターズは待つ価値がありました。

イースタン・カンファレンス決勝第6戦、ラプターズはミルウォーキー・バックスを100-94で下し、創設24年目にして球団史上初のNBAファイナル進出を成し遂げたからです。



試合後、ラプターズのカイル・ラウリーはこう語りました。

「13年間のキャリアと、(ラプターズでの)7年間で、ここに辿り着くまでに長い時間がかかった。しばらくの間、一人の男(レブロン・ジェームズ)が立ち塞がっていたからね。彼が去ったことで、僕たちはチャンスを得られ、ミルウォーキーという本当に良いチームを破ることができた。僕としては、この瞬間を味わおうとしているけど、満足はしていないね。僕たちの目標は、NBAのチャンピオンシップを勝ち取ること。どんどん良くなって、コツコツと頑張るつもりだよ。」

このシリーズを通じてのMVPとも呼べるレナードは、第6戦でも27得点、17リバウンド、7アシスト、2スティールの活躍を見せ、エースとしての大役を果たしました。

カンファレンス優勝トロフィーの贈呈式では、ウジリ氏がレナードについてこう語っています。

「彼はリーグで最高の選手だ。そして、私たちは彼がトロントに居て幸せだ。」

第3クォーター残り2分18秒の時点で15点のビハインド(61-76)となった時、このシリーズが第7戦までもつれることを覚悟する必要があったかもしれません。

しかしそれでも、レナードのエンドワンショットを皮切りに、ラプターズが26-3のランで逆転して見せたのです。

レナードは、次のように語りました。

「勝ちたいだけだよ。最高の選手でなくても気にしない。最高のチームになりたいんだ。いつもそう言っているよ。マサイ氏がなぜトレードをしたか、彼が僕をどう感じていたかを話してくれた。今ならよく分かるよ。僕たちはファイナルに進み、まだ終わっていないからね。」

第3クォーター終了時には15点差が5点差(71-76)まで縮まっており、第4クォーター開始からはフレッド・ヴァンブリートのレイアップ、ノーマン・パウエルのスリーポイントシュート、サージ・イバカのダンク、パスカル・シアカムのフローターショットと得点を重ね、逆転に成功しました。

特に最後の2試合、ラプターズはレナード以外の選手がステップアップしていたことから、特にこの局面では、このシリーズを象徴するようなオフェンスだったと言えるでしょう。



一週間前、ラプターズがこのシリーズを勝ち抜くのは非現実的のように思えました。

NBAの歴史上、カンファレンス決勝で0勝2敗となったシリーズは56回ありましたが、そのうちNBAファイナルに進めたのは5チームしか無かったからです。

それでも、ラプターズは4連勝という快進撃を見せ、球団史上初のNBAファイナル進出を果たしました。

ナースHCは、次のように語ります。

「イースタン・カンファレンスで優勝するためには、自分たちができることを信じなければならない。トレーニングキャンプの初日から、私はそのようなメッセージを送っていたよ。良いチームであり、良い選手が居て、選手の層も厚いんだ。イーストには良いチームがたくさんあるが、我々はそれらに引けを取らないね。」

どれだけリスキーな試みであろうとも、ラプターズは自分たちができると信じることで、成功を収めました。

次の相手はさらに強大なものですが、彼らがどれだけ信念を持ち続けられるかが、優勝へのカギとなることでしょう。

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