NBAファイナル第2戦、ゴールデンステイト・ウォリアーズはトロント・ラプターズを109-104で下し、シリーズタイの状態でベイエリアに帰ることができます。
この試合の明暗を分けたのが、第3クォーターの直後に始まったウォリアーズの18-0のランであることは、言うまでもないでしょう。
厳しいディフェンス、致命傷を与えるスリーポイントシュート、相手のディフェンスの裏をかいた巧妙なパス…
ウォリアーズはありとあらゆる武器を駆使し、ハーフタイム時にあった5点のビハインド(54-59)を、6分も経たないうちに72-59のリードまで変えてみせました。
ウォリアーズのアンドレ・イグダーラは、ウォリアーズらしさの見えた連続得点について、次のように語っています。
「俺たちが(ランを)始めた時、自分はずっと”いいぞ”と声を出していた。”俺たちは(ランを)決めているぞ”と言える時、それは自分が本当に幸せな、唯一の時間だね。そして、俺たちはそれを実行していた」
もっと驚くべきことは、第2クォーターの途中で最大13点のビハインドを追っていたことかもしれません。
それから、ステフィン・カリーは風邪や脱水症状のような状態の処置のためにロッカールームに下がったり、イグダーラがラプターズのマーク・ガソルとの接触で一旦コートを後にしたり、クレイ・トンプソンがハムストリングを痛めて試合終盤に出られなかったりと、不調や怪我にも悩まされました。
ウォリアーズは、数字以上にタフな試合に勝ったと言えるのではないでしょうか。
それでも、ウォリアーズはクイン・クックの2本連続スリーポイントシュートや、アンドリュー・ボーガットの数分間の活気のあるプレイなど、リザーブメンバーの活躍もあったことで、チームが停滞する事態を回避することができました。
そして残り7.0秒には、イグダーラがスリーポイントシュートを決め、試合を終わらせて見せました。
イグダーラは、次のように語ります。
「俺たちはたくさんの経験をしてきた。誰もが多くの勝利を見てきて、俺たちが簡単に圧倒しているように見えるかもしれない。だけど、それにも多くの仕事が必要なんだ。そして毎年、こうした怪我とも戦わなければいけなかった」
ウォリアーズが18-0のランを決めた後、第3クォーター残り6分20秒の時点で、ようやくラプターズはフレッド・ヴァンブリートがコーナーからスリーポイントシュートを決めました。
しかし、試合が終わった後に言えるのは、それが手遅れだったということだけでしょう。
ラプターズのカワイ・レナードは、次のようにコメントしています。
「それ(ウォリアーズのラン)が、試合のほとんどだった。」
レナードは34得点を記録しましたが、フィールドゴール20本中8本成功とあまり良い数字は残せず、16本のフリースローこそ彼の得点が伸びた要因でした。
第1戦のMVPであったパスカル・シアカムも、容易に得点することは出来ず、フィールドゴール18本中5本成功の12得点に抑えられています。
第3戦でも、ウォリアーズはいくつかの話題を持つことになるでしょう。
トンプソンは大丈夫なのか、ケビン・デュラントの復帰は迫っているのか、デマーカス・カズンズのコンディションは万全か、イグダーラは再び重要な場面でショットを決められるのか…
しかし、敵地での第2戦に勝利した今、このシリーズのホームコートアドバンテージはウォリアーズに移っています。
3日後、ようやく待ちに待ったホームでの対戦で、ウォリアーズはファンの大歓声と共に、再び脅威的なランを決めるのでしょうか。