考察

2019 NBAドラフトの”勝者”は誰?

ブルックリンで行われた2019年のNBAドラフトは、ニューオーリンズ・ペリカンズがザイオン・ウィリアムソン、メンフィス・グリズリーズがジャ・モラント、ニューヨーク・ニックスがRJ・バレットと順当に指名され、今年も大盛況に終わりました。

そしてたった一夜にして、約75の選手や指名権がトレードされる日でもありました。

さて、それでは指名やトレードを考慮した上で、時期尚早ではありますが、2019NBAドラフトの”勝者”を見ていくことにしましょう。

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2019NBAドラフト結果

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ニューオーリンズ・ペリカンズ

2003年のレブロン・ジェームズ以来、最もエキサイティングな選手として見られているザイオン・ウィリアムソンが参加する年に、ペリカンズが全体1位指名権を獲得した時点で、彼らが”勝者”であることは明白です。

今年、あるスカウトの一人はウィリアムソンを「尻にロケットを装着したドレイモンド・グリーン」と評価しました。

おそらく、ウィリアムソンは攻守で圧倒的な存在感を誇る怪物となるでしょう。

ウィリアムソンが加わったという事実だけで、来季のペリカンズは大きく注目を浴びることになります。

メンフィス・グリズリーズ

全体2位指名のモラントはショットこそ十分では無いものの、パスセンスとアスレチック能力に関しては申し分ない才能を兼ね備えています。

彼は競争者として、リーダーとして、フランチャイズを支える次世代のポイントガードとなるでしょう。

モラントに加え、グリズリーズは全体21位指名でブランドン・クラークも獲得しました。

クラークのリム周辺での激しさは、昨年のドラフトで全体4位指名を受けたジャレン・ジャクソンJr.とも上手くマッチするはずです。

グリズリーズはこの数年間、老朽化したコアメンバーに頼り、将来のビジョンに不安がありましたが、ジャクソンJr.にモラントとクラークを加えられたのは大きな一歩だと言えるでしょう。

アトランタ・ホークス

ホークスはディアンドレ・ハンターを3&Dの優れた選手として気に入っていたため、全体4位指名権を持っていたペリカンズにトレードを提示しました。

重要なのは、それにかかったコストでしょう。

ホークスがペリカンズに譲渡したのは、8位指名権、17位指名権、35位指名権、保護条件付きの2020年1巡目指名権であり、それからペリカンズのサラリーキャップを空けるために、ホークスはソロモン・ヒルを受け取りました。

ホークスが若いタレントを豊富に持っていることを考えると、これらの支払ったコストは低いのではないでしょうか。

それから、ホークスは全体10位でカム・レディッシュを獲得しました。

レディッシュはデューク大でこそ残念なシーズンを過ごしたものの、高校時代の才能を取り戻し、シューターとして成長することが出来れば、彼はスターの道を歩むことも可能なはずです。

ホークスは巧みなトレードで堅実な選手をしつつ、もう一方で賭けとなる選手も獲得するという、非常に充実した夜を過ごせました。

RJ・バレット

バレットはニューヨークでプレイすることを望み、その欲求はドラフトが近づくにつれてより強くなりました。

結局のところ、相互に関心を抱いていたことで、ニックスファンの誰もがバレットが指名された時に盛り上がったことでしょう。

バレットが上を目指すことを望むなら、彼はシュート力を改善しなければなりません。

しかし、彼は非常にハードワーカーとして知られており、熟練したプレイメイカーでもあります。

問題はバレットが、この夏に誰とチームメイトになるのか…ということですが、仮にケビン・デュラントが加入したとしても、彼は少なくとも1年間はプレイできないため、バレットには多くのチャンスがありそうです。



フィラデルフィア・76ers

今年のドラフトで最も期待されているロールプレイヤーの一人であるマティス・サイブルを、76ersが全体20位で指名できたのは大きな勝利です。

当初は全体24位指名権を持っていたため、ボストン・セルティックスに全体24位指名権と全体33位指名権を譲渡する必要がありましたが、76ersの即戦力を得るためであれば少ないコストだと言えるでしょう。

サイブルは短時間であれば非常に優れたディフェンダーとして機能するほか、スリーポイントシュート成功率でも3年生時に40%、4年生時に36%を記録しています。

もしサイブルがダニー・グリーンのような選手に成長するのであれば、紛れもなく76ersは素晴らしい指名をしたと評価できるはずです。

ボストン・セルティックス

セルティックスは元々、全体15位で指名したロメオ・ラングフォードよりも、はるかに評価が高いダリアス・ガーランドを獲得するため、全体5位指名権以内をトレードで得ようとしていたと伝えられています。

ただ、それは実現しなかったため、一見すれば彼らは勝者ではないかのように思えるでしょう。

しかし、彼らはフェニックス・サンズと重要なトレードをやってのけました。

セルティックスは2020年の1巡目指名権を得ると同時に、サンズへ24位指名権とアーロン・ベインズを譲渡したのです。

これにより、セルティックスのキャップスペースは2,580万ドルとなり、もし今夏にテリー・ロジアーのクオリファイリングオファーを破棄した場合、その額は3,400万ドルにまで増えます。

今月は明らかにセルティックスにとって壊滅的な月のように思えましたが、今後数週間は面白いことになりそうです。

ダリアス・ガーランドのスタイリスト

近年、ドラフトにおける選手のファッションは、イメージを損なうリスクを避けるためにスーツを着用することが一般的でした。

どうやらガーランドは、その枠に当てはまらないようです。

ファッションという意味では、今夜の1位はガーランドだったかもしれません。

クリーブランド・キャバリアーズ

キャバリアーズには既にポイントガードのコリン・セクストンが居るというのに、ダリアス・ガーランドの指名をしたのは疑問を持つべきでしょうか?

いや、キャバリアーズがどれだけ低迷しているかを考えたら、このギャンブルは称賛すべきかもしれません。

ガーランドは安定感やディフェンスに懸念が残るものの、抜群の得点能力や、ガード選手にとって最も重要なスキルの一つであるドリブルにも長けています。

もし、ガーランドがカイリー・アービングやデイミアン・リラードのような選手になるのであれば、キャバリアーズはウィリアムソンに次ぐ2番目に優れた選手を指名したと言えるでしょう。

トレードで全体30位のケビン・ポーターJr.を獲得したのも、ギャンブルの一つです。

キャバリアーズはフランチャイズの将来にいささか楽観的すぎますが、案外壁を超えるのは早いかもしれません。

それに現時点で、キャバリアーズのやっているアプローチは決して間違ったことではないのです。

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