なぜゴールデンステイト・ウォリアーズがクイン・クックを高く評価し、ロサンゼルス・レイカーズが彼を必要としたのか――その理由の一つが、サマーリーグの試合後に証明されました。
ウォリアーズ対レイカーズの試合後、クックはスタンドからコートに入り、両チームのほぼ全ての選手やコーチと握手を交わしたのです。
クックは新たにレイカーズと2年600万ドルの契約を結んだことで、2年間過ごしたウォリアーズを去ることになりました。
『Los Angeles Times』のマーク・メディナ氏によれば、クックは先日の電話での取材で、ウォリアーズについてこう語っています。
「全てが辛いことだったけど、悪い感情は無い。俺たちは永遠に家族であり、永遠にチャンピオンだ」
クックは、新たな舞台で活躍できることに感謝しています。
「証明することや、やるべきことがたくさんあった。学ぶべきことはもっとある。学び続けられることに興奮しているし、次の素晴らしい機会に感謝しているよ」
当初、ウォリアーズはクックに190万ドルのクオリファイング・オファーを提示することで、彼をチームに残そうとしました。
「彼らは、俺に戻ってほしいと思っていた。俺と代理人は、彼らがクオリファイング・オファーで(契約を)延長するだろうと考えていたよ。そうするしかなかったからね。」
しかし、事態は違う方向へと進んでいきます。
最初に、ケビン・デュラントはウォリアーズとの5年2億2,100万ドルの再契約を断り、ブルックリン・ネッツと4年1億6,400万ドルで契約合意しました。
アキレス腱を断裂中のデュラントは、来季を全休する可能性が高いものの、それはウォリアーズやイースタン・カンファレンスに明らかな影響を与えたと言えるでしょう。
デュラントと旧知の仲でもあるクックは、デュラントについてこう語りました。
「それが彼にとって最も満足のいく決断だったんだから、俺も嬉しいよ。彼(の健康状態)は良い感じだ。リハビリに取り組んでいる。元気だし、やる気に満ち溢れているよ。」
ウォリアーズはデュラントの離脱を相殺するため、ネッツからディアンジェロ・ラッセルをサイン・アンド・トレードで獲得します。
しかし、ラッセルと4年1億1,900万ドルの契約を結んだことで、ウォリアーズはハードキャップの対象となり、アンドレ・イグダーラをメンフィス・グリズリーズへ手放さざるを得ませんでした。
ケボン・ルーニーと3年1,500万ドルの契約を結ぶことはできたものの、ウォリアーズはベテランミニマム契約以外で選手を獲得できる状態では無かったため、クックのクオリファイング・オファーを取り下げ、彼を無制限フリーエージェントとしたのです。
クックは、こう語りました。
「対処に困ったよ。経験したことが無かったからね。初めての制限付きフリーエージェントでもあった。だから何に期待すればいいか分からなかったんだ」
クックは、レイカーズの他にも4チームが彼に関心を持っていたと言いましたが、レイカーズ移籍を決めたのにはいくつか理由があるようです。
まず第一に、レイカーズのゼネラルマネージャーであるロブ・ペリンカ氏が、チームのバックコートに「完璧にフィットする」と語り、クックの獲得を望んでいたからでした。
第二に、クックは既にレブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスと関わりを持っています。
デイビスとは、2016-17シーズンに短期間ではあるもののニューオーリンズ・ペリカンズでチームメイトとなりました。
レブロンとは2015年のクリーブランド・キャバリアーズのトレーニングキャンプで一緒になり、以降は連絡を取り合っているようです。
レブロンについて、クックは次のように語っています。
「彼はいつでも俺に話しかけて、アドバイスをくれた。いつでも手を差し伸べてアドバイスをくれる人が近くに居れば、俺のキャリアのあらゆる面で助けになってくれる。それは当たり前のことなんかじゃないからね。彼との再会を楽しみにしているよ」
そして第三に、レイカーズはウェスタン・カンファレンスで本命のチームの一つです。
レイカーズについて、クックはこう語りました。
「俺たちは間違いなく優勝争いができるだろう。それが最大の決め手でもある。学び続け、優秀な選手たちの周りに立ち、選手として良くなっていくためにね」
とはいえ、レイカーズでどれだけ出場の機会を与えられるかは分かりません。
ラジョン・ロンドやアレックス・カルーソ、そして来季はレブロンもポイントガードを務めると噂されているため、バックコートは複数の選手で共有することになるでしょう。
「俺たちには素晴らしい選手が居る。それは常に大きな問題だね。誰がプレイするのか、誰が先発になるのか、どんなラインナップになるのかは分からない。俺が分かるのは、みんながコートに出て、ハイレベルな競争を繰り広げようとしていることだけだよ」
話は再びウォリアーズに戻り、クックはウォリアーズでの2年間を「自分にとって最高の2年間のバスケットボール」と語ります。
しかし同時に、これは厳しいビジネスの世界でもあり、クックは身をもって知ることとなりました。
「チームからの関心が欲しいと思っただけでもクールだね。でも、これは厳しいビジネスだ。ただのビジネスだってことを学んだよ」