国際試合での連勝記録が途切れたといえ、アメリカ代表が依然として2019 FIBAワールドカップの優勝候補であることは変わりません。
しかし、だからと言ってアメリカ代表だけに世界最高峰の選手が集まっているわけでもありません。
特に今年は、アメリカを代表するはずだった数多くのスーパースターが出場を辞退したため、各国の選手にもより多くのスポットライトが当てられています。
NBAのオフシーズンにやってくる”飽き”を吹き飛ばすために、十分な顔ぶれが揃っていることは間違いないでしょう。
ここでは、2019 FIBAワールドカップに出場する選手トップ10を見ていくことにします。
目次
10位 ジェイソン・テイタム(アメリカ)
エキシビションゲームでは得点に苦しんだテイタムですが、彼はチームが期待しているウィングでもあります。
国際試合の環境にさえ適応できれば、シューティングとボールハンドリングを中心に、運動能力の面でチームに貢献できるのは事実でしょう。
ただし若い選手にとっては、言うほど簡単でもありません。
9位 マーク・ガソル(スペイン)
チームメイトのリッキー・ルビオと同様に、ガソルは国際試合の経験が豊富な選手の一人です。
特に3つの金メダル(欧州選手権で2度、2006年のオリンピックで1度)と3つの銀メダル(オリンピックで2度、欧州選手権で1度)を獲得しているのは、大きな強みでしょう。
フロアスペーシングやポストアップ、プレイメイキングのスキルを持ち合わせている一方で、やはり相手にとって最大の脅威となるのはディフェンスで、2度目の金メダルを獲得するには必要不可欠なものだと言えます。
8位 ダニーロ・ガリナリ(イタリア)
ロサンゼルス・クリッパーズで過ごした2018-19シーズン、ガリナリは1試合あたり平均19.8得点、6.1リバウンド、2.1アシストを記録し、キャリア最高とも呼べるシーズンを過ごしました。
軽傷のためにエキシビションゲームにはほとんど出場できなかったものの、ニュージーランド代表との試合では22得点を獲得するなど、十分な仕上がりを見せています。
イタリア代表はガリナリにアウトサイドシュートを頼っているだけに、彼の重要性は非常に高いと言えるでしょう。
7位 ニコラ・ヴュチェビッチ(モンテネグロ)
オーランド・マジックのビッグマンでもあるニコラ・ヴュチェビッチは、昨季1試合あたり平均20.8得点、12.0リバウンド、3.8アシストという素晴らしい数字を残したことで、自身初のオールスター出場を果たした選手です。
ヴュチェビッチはモンテネグロ代表のロスターで唯一のNBA選手であるため、チームがグループステージを突破するには、彼の才能が必要不可欠でしょう。
同グループのエリートチームであるギリシャ代表や、経験豊富なブラジル代表にどのように対抗するのか、注目できそうです。
6位 クリス・ミドルトン(アメリカ)
ミルウォーキー・バックスでプレイするミドルトンは、ヴュチェビッチと同様に2018-19シーズンに自身初のオールスター出場を果たした選手です。
モンテネグロ代表を率いるヴュチェビッチほど責任は重くないと言えど、アメリカ代表の先発ウィングとして期待されている選手でもあります。
アメリカ代表で最も輝きを求められることはありませんが、バックスでやっていたような一貫した生産性は頼りにされているでしょう。
オフェンス面ではスコアリング、ディフェンス面では執拗なペリメーターディフェンスが発揮できるか注目です。
5位 ドノバン・ミッチェル(アメリカ)
22歳のミッチェルは、アメリカ代表の得点の要とも言える選手です。
若い選手にとっては非常に重い責任のようにも感じますが、ミッチェルはチャレンジから引き下がるような選手ではありません。
そのため、アメリカ代表の指揮官であるグレッグ・ポポヴィッチHCも、ミッチェルをチームリーダーの一人として信頼しています。
経験の少なさを、自身の能力でどこまでカバーできるかが鍵となるでしょう。
4位 ルディ・ゴベア(フランス)
世界で最も優れたビッグマンかつディフェンダーの一人であるゴベアは、フランス代表をさらなる高みへと導く可能性があります。
チームメイトのナンド・デ・コロやエバン・フォーニエとのピックアンドロールを駆使し、シューターのためにスペースを広げ、圧倒的なリバウンド力と、鉄壁のディフェンスでリム周辺を制圧すれば、瞬く間にフランス代表は相手チームの脅威となるでしょう。
場合によっては、フランス代表はメダルに手が届く可能性さえあります。
過去、フランス代表はタレント力があったにも関わらず、期待されていた結果を残せていませんでしたが、ゴベアを擁する今年は一味違うかもしれません。
要するに、これまでフランス代表には、ゴベアのようなタイプのリーダーや選手が居なかったということです。
3位 ケンバ・ウォーカー(アメリカ)
ドノバン・ミッチェルと共に強力なバックコートを形成しつつ、得点でもアシストでもチームを引っ張ることができるウォーカーは、アメリカ代表が最も信頼する司令塔です。
もし、試合の後半でも競り合う状況となった時、ウォーカーが得点に貢献できるかどうかは非常に重要な鍵となってきます。
アメリカ代表が金メダルを持ち帰りたいのであれば、彼がハイレベルなプレイを続けることは必要不可欠でしょう。
2位 ニコラ・ヨキッチ(セルビア)
アメリカ代表の他に優勝候補を挙げるとすれば、それはセルビア代表であり、その中心選手がビッグマンのニコラ・ヨキッチとなります。
デンバー・ナゲッツでの昨季は、1試合あたり平均20.1得点、10.8リバウンド、7.3アシストと非常に印象的なシーズンを過ごしました。
しかし驚くことに、彼はセルビア代表のスターターではありません。
これには理由があり、ヨーロッパのバスケットボールでは選手の出場時間を均等化する傾向にあります。
そして、これがセルビア代表をより恐ろしいチームへと変貌させているのを忘れてはなりません。
ヨキッチの代わりに先発を務めるのは、7フィート3インチ(約220cm)の高身長を誇るNBA選手のボバン・マリヤノビッチです。
マリヤノビッチの後ろに、ヨキッチが控えていることを想像してみてください。
アメリカ代表でさえ、マイルズ・ターナーとブルック・ロペスは息をつく余裕が無くなることでしょう。
1位 ヤニス・アデトクンボ(ギリシャ)
昨季のシーズンMVPを受賞したアデトクンボが、今大会で最もエキサイティングなアスリートであることは疑いようがありません。
NBA選手でさえ、アデトクンボを止めるのは困難であるだけに、彼はエキシビションゲームで既にその爆発力を披露しています。
アデトクンボには複数の厳しいデフェンスが付くことが予想されますが、そうでもしなければ彼を止める術は無いでしょう。
ギリシャ代表もまた、優勝候補の一角として評価されています。
それは「ヤニス・アデトクンボが居るから」が最も簡潔な理由です。