オクラホマシティ・サンダーで4年半の間指揮官を務めているビリー・ドノバンHCほど、波乱万丈なコーチングをしてきた人物も、そうそう居るものではないでしょう。
サージ・イバカの代わりにビクター・オラディポを獲得し、ケビン・デュラントが去り、オラディポの代わりにポール・ジョージを獲得し、カーメロ・アンソニーがやって来て、そして去っていく…
今年の夏には、もっと多くの変化がありました。
ラッセル・ウェストブルック、ポール・ジョージ、ジェレミ・グラント、レイモンド・フェルトンといった、2年以上に渡ってサンダーを支えてきた選手たちが、様々な形で去ってしまったからです。
ドノバンHCは『The Oklahoman』のベリー・トラメル氏とのインタビューで、彼らが去ったことについて次のように語りました。
「個人的には、レイモンド・フェルトンがお気に入りだった。レイモンドがここに居ないことが寂しいね。ラッセルとも4年間を過ごした。そういった選手たちが居なくて寂しいよ。彼らとの関係の一部が、恋しくなるだろうね」
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ラッセル・ウェストブルックに支えられたアレックス・アブリネス
加えてドノバンHCは、ポール・ジョージのトレードの要求に衝撃を受けたことを明かしています。
「ポールはここでの時間を楽しんでいたと思ったから、衝撃を受けたよ。彼が最初に来た時、多くの憶測があったと思う。”これは1年間の試しに過ぎないから、彼はロサンゼルスへ帰りたいと思っている”ってね。確かにポールは、ロサンゼルスに多くの友人や家族が居る。でも、私はその一部となった。私は、彼の家族の一員になったんだ。彼の母や、父は、素晴らしい人たちだ。だから、留まらせることが出来たんだ」
昨年の夏、ロサンゼルス・レイカーズへの移籍も多く報じられていたジョージでしたが、最終的にはサンダーと4年間の契約を結びました。
それは、ジョージがオクラホマシティを気に入った明らかな証拠だと思ったことでしょう。
1年後にトレードを要求するなど、想像できるはずもありません。
代わりに、サンダーはジョージのトレードでダニーロ・ガリナリや、シャイ・ギルシャス・アレキサンダー、後のウェストブルックのトレードで、クリス・ポールといった選手を獲得しました。
彼らは、シーズンを通じてサンダーでプレイするのでしょうか?
多くの憶測はありますが、ドノバンHCは落ち着いています。
「一つ、私はそれについて心配していない。サム(プレスティGM)と話していても、”聞いてくれ、今年はこういうチームになる”という感じだった。何かしら起こるだろうか?それはあり得る。多くのことが起こる可能性がある。しかし、私はこのチームと1年中一緒に居るつもりだし、このグループでどれだけ良いことが出来るだろうか、ということだけを考えてシーズンを迎えるよ」
ジョージのトレードから約2ヶ月半が経ちましたが、シーズンが開幕していないこともあり、まだそれは現実味を感じられないでしょう。
しかし、ドノバンHCは既に焦点を切り換えています。
スーパースターが居ても、居なくても、彼は新しいチームで1年間を過ごすために、新たなシーズンを迎える準備をしなければなりません。