先日、『The Athletic』のシャムス・シャラニア氏は、マイアミ・ヒートがオクラホマシティ・サンダーのクリス・ポールのトレードをまだ狙っている、と報告しました。
しかし、それを実現させるのは、非常に困難でしょう。
その理由は、サンダーとヒートの間で、クリス・ポールのトレードに対する考えの相違が起こっているからにほかなりません。
これは、とても興味深い構図となっています。
『Miami Herald』のバリー・ジャクソン氏はTwitterで、互いの主張を的確に指摘しました。
現時点で、サンダーとヒートがポールのトレードをどのように見ているのか大きな違いがあり、ヒートがそれを実現させられることを期待できない理由がある。サンダーはヒートに素晴らしい資産を与えていると考えており、マイアミを(他の資産で)誘惑する必要は無い。マイアミはポールを大いにリスペクトしているが、(大きな契約を背負う)サンダーの好意を受けており、(他のチームによって)補償されるべきというように感じている。
もう少し分かりやすく、互いの主張を言葉にしてみると、次のようになります。
- サンダーの主張:「クリス・ポールは素晴らしい選手だ。そんな素晴らしい選手を放出し、君たちは彼を望んでいるのだから、他の資産は必要あるまい」
- ヒートの主張:「確かにクリス・ポールは素晴らしい選手だ。しかし、彼の契約は君たちにとって邪魔だろう。それも担うのだから、その分の資産も譲るべきだ」
ポールは、2019-20シーズンに3,850万ドル、2020-21シーズンに4,140万ドル、そして2021-22シーズンに4,420万ドルのプレイヤーオプションを持った契約を結んでおり、ヒートがそれを大きく見ているのは、以前の記事でもご紹介しました。
[kanren postid="13992"]だからこそヒートは別の資産を望んでいます。
おそらく最も望んでいるものは、現在保持していない2021年と2023年のドラフト1巡目指名権でしょう。
どちらの指名権もサンダーは保持していますが、一方でサンダーは、トレードにそれらの指名権を含めることに消極的です。
ポールは生産的な選手であり続けていますが、近年は怪我と年齢による衰えも見え始めています。
ポールの選手としての価値、そして彼の莫大な契約について、互いに落とし所を見つけない限り、この駆け引きに終わりは見えません。
両者のファンは、それぞれのチームの主張を肯定するかもしれませんが、それ以外の人々からすれば、今の状況は非常に興味深いものと言えるでしょう。
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