ロサンゼルス・レイカーズには、アンソニー・デイビスが望むものが何でも揃っているように見えます。
チームメイトのレブロン・ジェームズは、オフェンスでデイビスを経由すべきだと語り、ゼネラルマネージャーのロブ・ペリンカ氏は、ジェームズとデイビスのどちらかが、首脳陣の意思決定に影響を与えることを許可しました。
来年の夏にデイビスがフリーエージェントとなることは避けられないため、今のうちから可能な限りの魅力を与え続けている、ということも考えられるでしょう。
しかし、金曜日に行われたレイカーズのメディアデーでは、デイビスは来年のフリーエージェントについて考えていないことを明かしました。
「今年だけに集中したいんだ。ここに来て、レイカーズは間違いなく両手を広げて歓迎し、僕はここがホームなんだと感じたよ。だけど同時に、今年は何が出来るかということでもある。特別なチームで、特別なユニットがあって、特別なコーチが居るから、今年に集中して、勝利を収めるために出来る限りのことをやろうとするんだ」
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ラジョン・ロンドと再びプレイすることにワクワクしているアンソニー・デイビス
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レイカーズが若い選手やドラフト指名権を放出してまで、アンソニー・デイビスをトレードで獲得したのは、優勝するためにほかなりません。
重要なのは来年の夏までに出来る限りのことであるため、現時点で来年の夏のことを考えるのは、デイビスにとっても、レイカーズにとっても、不利益にしかならないでしょう。
それでも、その過程で、レイカーズはデイビスに様々なものを提供していきます。
最大の要素はデイビスの役割であり、昨季1試合あたり平均23.7得点、12.0リバウンドを記録したデイビスについて、ジェームズは彼がオフェンスの中心であると何度も繰り返して言いました。
「アンソニー・デイビスがフロアに出ているのに、彼を経由してプレイしなければ、彼をフロアに置いている意味がない。彼は素晴らしいんだ。毎回経由するわけではないけど、それをする能力はある」
ジェームズの言葉は、2012-13シーズンの開幕前にコービー・ブライアントが、ドワイト・ハワードについて語ったこととは全く対照的なものです。
当時34歳だったブライアントは、6年前のメディアデーの日に、27歳のハワードの加入に対し、「俺のチームだ」と宣言しました。
しかし34歳のジェームズは、自身の仕事を減らすことによって、26歳のデイビスをレイカーズの次のスターにしたいと考えています。
ジェームズとブライアントの反応の違いは、2012-13シーズンの失敗とは違う結果を生むのでしょうか?
おそらく、その考察は無駄でしかありません。
ハワードが非保証契約を結んでレイカーズに戻ってきたとき、彼が「そのようなこと(過去の失敗)は重要ではない」と語ったように、ジェームズも過去のこと(さらに未来のこと)には、目もくれていないのです。
「僕は今を生きている男だ。過去に起きたことは、どうすることもできない。そして未来に何があるかも分からない。将来について考えれば、目の前にある素晴らしいチャンスを逃してしまう。そして、それはもっと自分勝手なことだ。だから、ここにAD(アンソニー・デイビス)が居て、チームに在籍している僕にとっては、シーズン中にそんなことを解決しようとすらしないね。ADは(最終的に)そのことについて、話すことになるだろう。だけど、僕たちの目標は日々良くなることだ。コーチのボーゲルと、コーチングスタッフは、毎晩勝つために最高のチャンスを与えてくれる」
デイビスもまた、ジェームズとのペアリングに満足しており、「ただ勝ちたいだけ」と語りました。
「彼はとても親切だ。僕たちは、互いを大いに支えるだろうね。僕たちは非常に利他的で、ただ勝ちたいと思っているだけの2人の男だ。そういった男が2人も居れば、両方の仕事が楽になる」
デイビスがプレイするのはロサンゼルス――メディアの声や憶測は、ニューオーリンズに比べて遥かに騒々しくなるでしょう。
しかし、デイビスが楽しみにしている1年間は、そのような音で消し去られるほどのものではありません。
デイビスは次のように語りました。
「僕が興味を持っているのは、僕たちがフロアでやることだ。明らかにより大きな都市で、より大きなメディアの報道があるけど、トレードされた時、僕は準備が出来ていることを分かっていた。楽しい1年になると思うよ」
実際にデイビスが楽しい1年を過ごすことができれば、彼は再びレイカーズでプレイしたいと考えるでしょう。
しかし今のところ、デイビスは不確実な未来など興味が無く、期待でいっぱいの現在に集中しています。