ジミー・バトラーは新たなマイアミ・ヒートの顔となることで、これまで20年近くドウェイン・ウェイドが背負ってきたものを、引き継ぐことになります。
なぜ、バトラーはヒートでプレイする決断を下したのでしょうか?
その理由の一つは、自身の個性的な資質を示したいからなのかもしれません。
バトラーは、ヒート史上最高の選手がウェイドであるという認識を変えられるとは思っていませんが、自分自身がコントロールできないという認識を改めたいと考えています。
『ESPN』のキャメロン・ウルフ氏によれば、バトラーは金曜日に行われた記者会見で、次のように語りました。
[kanren postid="15139"]「僕はそんなに嫌な男だとは思わない。みんなが思っているような性格の悪い奴じゃないよ」
バトラーは続けて語ります。
「時々、少し余分なことをしてしまう。でも、それほど悪いことをしているとも思わない。みんなは、僕がやっていることと同じことをしていて、他の人がやっていないと、問題があるように思っているね。僕は自分の仕事やプレイ、取り組み方を気に入っている。なぜ、みんなは僕がやっていることをやらないのだろうか?今まで、僕はそのことが理解できないんだ」
特に、バトラーへ向ける人々の目が変わったのは、ミネソタ・ティンバーウルブズに在籍していた昨年の夏から秋にかけてのことでしょう。
彼はチームにトレードを要求し、若手のアンドリュー・ウィギンスや、カール・アンソニー・タウンズの仕事倫理や情熱に、怒りをぶつけました。
バトラーは、自身の仕事倫理と一致し、勝利への情熱を持ったチームでプレイすることを望んでいたのです。
そしてヒートは、まさしくバトラーが求めるものに最も近いチームでした。
ヒートの球団社長であるパット・ライリー氏は、次のように語っています。
「私たちはリスペクトされたいということについて、十分に話し合った。このリーグでリスペクトされるには、時にそのことを競争相手に示さなければならない。シーズンを通じて、彼が私たちとどう噛み合うかを知っていくつもりだ。彼の勝利への影響がどれほどか見ていく。私は彼が持っている全ての資質を、必ず受け入れるよ」
つまりヒートは、バトラーに全てのチャンスを与えたのです。
バトラーがヒートを選んだ他の理由があるとすれば、それはマイアミのファンの素晴らしさでしょう。
約6ヶ月前、ヒートがホームゲーム最終戦でウェイドを称えた時、その対戦相手はバトラーが在籍していたフィラデルフィア・76ersでした。
ウェイドを称える時、アメリカン・エアラインズ・アリーナが揺れるほどに沸いていた光景は、この夏にバトラーがヒート移籍を決断する大きな足がかりとなったようです。
「ファンは彼の取り組み方や、人間性、もちろん選手としてや、全ての勝利を受け入れていて、僕はその一部になりたいと思ったんだ。僕がやりたいのは、彼が終わったところから引き継ぎ、彼の文化を正しい方向に維持し続けることだよ」
それから、バトラーはヒートをどうしたいのか、もう一つの目標があります。
バトラーがシカゴ・ブルズに在籍していた2012-13シーズン、ブルズはレブロン・ジェームズ、ウェイド、クリス・ボッシュのビッグ3を擁するヒートに敗れました。
当時の感情から、バトラーはこう語ります。
「僕たちは、あなたたち(ヒート)を嫌っていた。ここに在籍している時は、いつでも嫌われることを望んでいるよ。他のチームに、僕たちを憎んでほしい。簡単ではないことは分かっている。激しい戦いになるだろうね」
確かにバトラーは、コントロールが難しく、多くのチームから煙たがられる選手かもしれません。
しかし、そういった選手をコントロールできれば、チームは大きな成功を収める可能性があります。
バトラーも、ヒートも、その可能性に賭けてみることを選びました。
彼らが憎まれるようなチームになれるか、面白そうなシーズンがやって来そうです。