NBAと中国の騒動の始まりは、ヒューストン・ロケッツのゼネラルマネージャーであるダリル・モーリー氏が、香港のデモを応援するツイートを投稿したことでした。
モーリー氏は謝罪をしたものの、中国のテレビ局やスポーツ用品メーカー、スポンサーなどはNBAとの関係を見直そうとしており、波紋は広がっていると言えるでしょう。
さらに、NBAコミッショナーのアダム・シルバー氏は、NBAの考えや価値観を尊重する声明をしたことで、より中国の反感を買うことになりました。
シルバー氏は、次のように述べています。
「NBAは、選手、職員、チームのオーナーに対し、発言を制限する立場にはありません。」
中国国営中央テレビによれば、中国で行われる予定だったロサンゼルス・レイカーズ対ブルックリン・ネッツのプレシーズン戦は、既に放送の中止が決定しており、複数の中国企業がNBAとのビジネス関係を断ち切ったようです。
この騒動について言及するコーチは少なく、ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHCや、ロサンゼルス・クリッパーズのドック・リバースHCもコメントを避けました。
一方で、サンアントニオ・スパーズの指揮官であるグレッグ・ポポヴィッチHCは、(名前は出さなかったものの)ドナルド・トランプ大統領とシルバー氏を比較して、次のように語っています。
「彼(シルバー氏)はそういった点でリーダーであり、非常に勇気がある。過去3年間で(トランプ大統領の政権下で)生き延びなければならなかったことと比較すると、リーダーシップの面や、度胸の面で大きな違いがあるね。彼にとって、声明を出すことは簡単ではなかった。彼は経済的な危険に満ちた環境で、それを言ったんだ。彼は、我々全員が心から抱いている主義を支持している。だから、彼の言ったことには感動したよ。示した勇気とリーダーシップは、桁外れのものだ」
ポポヴィッチHCはシルバー氏の発言に賛同しており、おそらくこれは、他の多くのコーチの言葉を代弁したものとも言えるかもしれません。
ポポヴィッチHCは、続けてこう語りました。
「アダムは、(ジャマル)カショギ氏の殺害事件のようなものに対処できないという臆病さよりも、進むべき方向を理解するために役立つ何かを言ったんだ。リーダーシップや勇気が意味を成さない事件が数多くあるが、それらは全てが個人の誇張さ」