ブルックリン・ネッツの開幕戦の夜は、カイリー・アービングの夜でした。
彼は38分間の出場で50得点、8リバウンド、7アシストを記録し、ターンオーバーは一度も無し――オーバータイムでの最後のショットさえ外さなければ、文字通り完璧なパフォーマンスだったでしょう。
『Yahoo Sports』のマイク・マッゼオ氏によれば、126-127でわずかにミネソタ・ティンバーウルブズに及ばなかった試合後、アービングはこう言いました。
「仕事を終えていない。(50得点に)価値はあるけど、勝てなければ意味が無いんだ」
この開幕戦はアービングにとって特別な日でした。
ニュージャージー州のウェストオレンジで育ったアービングは、4学年の時からネッツでプレイすることを待ち望み、ついにそのデビューを飾ったからです。
アービングはネッツでプレイすることについて、こう語りました。
「僕が4学年の時から考えていたこと。この時点で起きることなのかは分からなかったけど、今の僕はここに居るから、フロアに足を踏み入れるたびに感謝の気持ちを示したいんだ」
ボストン・セルティックスでうまく行かず、若い選手たちを非難し、リーダーシップとして失敗したことを認めたアービングにとって、ブルックリンは自分自身を取り戻し、人しても選手としても成熟を示す機会です。
このオフシーズンにネッツと結んだ4年1億4,100万ドルの契約がどれだけ正しいものだったのか、間違いなく試されることになるでしょう。
ネッツのインサイダーの一人は、アービングについてこう語りました。
「彼は自分の使命を果たしているね。彼は自分の評価が落ちたことを理解していて、それをとても意識している。それでも、彼はこれ(ネッツとの契約)を選んだ。全ての戯言を隅に置き、活躍する必要があると分かっているんだ」
アービングは、次のように語ります。
[kanren postid="15153"]「一緒に来てくれた選手たちが居て、ここで忠誠を誓い、僕たちがやっていることを信じてくれている。ドラフトから成長してきた選手も居る。僕たちはやり通したいんだ。フロアの外で互いを知り、特にフロアの上で良くなれるということを知って、とてもワクワクしているよ」
アキレス腱断裂の回復に努めるケビン・デュラントは、今シーズンにプレイできる可能性が低いと考えられています。
そのためデュラントが復帰するまでは、少なくともネッツはアービングのチームとなるでしょう。
それでもネッツのケニー・アトキンソン・ヘッドコーチは試合前のインタビューで、次にように明かしました。
「初日からアービングに”君にプレッシャーはかかっていないぞ”って伝えたよ。私がうまく機能させる必要があり、若い選手たちが良くなる必要があるんだ。ここでの我々の仕事は、彼をサポートすることだ」
アービングは指揮官やチームメイトに支えられたことで、鮮烈なデビューを果たすことができたと言えます。
そして、だからこそ、彼は最後のミスをやり直したいと考えています。
Kyrie Irving dropped 50 in his Nets debut, but couldn't get the buzzer beater to go that would've given the Nets the win.pic.twitter.com/pVXBkImXOH
— SNY (@SNYtv) October 24, 2019
「転んでしまった。もう一度動こうとしたら、バランスを崩してしまったんだ。なんとか(体勢を)取り戻したけど、あとは肘をリムに向けるだけだったね」
アービングは落胆しましたが、チームメイトは彼を抱きしめ、励ましました。
82試合のうちの、たった1試合にしか過ぎないからです。
アービングはその瞬間について、こう語りました。
「チームメイトが僕を囲んで”仲間になった”って言ったんだ。これ以上嬉しいことは無いよ。彼らと成長するのが楽しみだ」
ここブルックリンには、アービングに必要なもの――友人、家族、そして快適さといったものが揃っています。
しかし同時に、彼は過ちから学ばなければなりません。
チームメイトをより良く活かし、リーダーとして成長することを、証明していく必要があるでしょう。
アービングがここで機能できなければ、彼はどこに行っても機能できないかもしれないからです。
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