3週間前にロサンゼルス・クリッパーズのドック・リバース・ヘッドコーチがチャレンジに失敗した時、彼はその制度を嫌っていると言いました。
先週、オクラホマシティ・サンダー戦の第4クォーター残り7.4秒でクリッパーズ側がファウルをコールされた時、リバースHCはチャレンジを使用することによって判定を覆り、90-88で勝利することができました。
試合後の記者会見で、リバースHCはこう言葉を濁しています。
「私は考えを変えるよ。チャレンジ制度はリーグにとって良いものだと思う」
チャレンジ制度は、時と場合によっては勝敗さえも左右するもので、これは昨シーズンまで無かった新たな試みです。
ただ、NBAがこのチャレンジ制度を導入するのは今シーズン限りとなっており、もちろん延長することは可能ですが、今の段階ではその保証はありません。
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チャレンジは、ファウル、アウトオブバウンズ、ゴールテンディング、インターフェアの場合に、コーチがタイムアウトと引き換えに要求することができます。
チャレンジが成功して判定が覆った場合は、タイムアウトが戻ってきますが、チャレンジが失敗して判定が維持された場合は、タイムアウトが戻ってきません。
ここまでのチャレンジで、興味深い数字がいくつかあります。
種類 | 成功 | 失敗 | 合計 | 成功率 |
ファウル | 47 | 79 | 126 | 37.3% |
アウトオブバウンズ | 12 | 7 | 19 | 63.1% |
ゴールテンディング
インターフェア |
4 | 3 | 7 | 57.1% |
合計 | 63 | 89 | 152 | 41.1% |
※11月25日(日本時間26日)終了時点
全体の成功率が41%という数字が、予想よりも高いのか低いのかは分かりません。
また、チャレンジが使用できるのは1試合で1回と限られているため、どこで使用するのかの見極めも重要となってくるでしょう。
152回のチャレンジのうち、後半に使用されたものは114回、第4クォーターとオーバータイムだけに絞っても74回のチャレンジが要求されています。
ダラス・マーベリックスのリック・カーライル・ヘッドコーチは、今はまだチャレンジを使用する適切なタイミングを見極める段階にあり、より多くのデータで得られるようになることで、適切なタイミングで使用されるようになるだろうと言いました。
最も積極的にチャレンジ制度を活用しているコーチは誰でしょうか?
それはヒューストン・ロケッツのマイク・ダントーニHCで、最初の5週間で計10回、成功と失敗がそれぞれ5回ずつでした。
他に多いコーチとしては、ゴールデンステイト・ウォリアーズのスティーブ・カーHCや、トロント・ラプターズのニック・ナースHC、ニューヨーク・ニックスのデイビッド・フィズデイルHC、ボストン・セルティックスのブラッド・スティーブンスHCで、それぞれ少なくとも8回は使用しています。
一方で、メンフィス・グリズリーズのタイラー・ジェンキンスHCや、シャーロット・ホーネッツのジェームズ・ボレゴHCはわずか1回のみの使用でした。
また、ブルックリン・ネッツのケニー・アトキンソンHCは3回全てに成功しているのに対し、フィラデルフィア・76ersのブレット・ブラウンHCは5回全てに失敗しています。
チャレンジは、時に予期せぬ展開で裏目に出ることもあります。
例えば、スティーブンスHCは25日(日本時間26日)の試合でエネス・カンターのファウルにチャレンジし、結果的に彼へのファウルは取り消されました。
しかし、代わりにブラッド・ワナメイカーのファウルだと判定されてしまったため、スティーブンスHCがチャレンジに成功しつつも、あまり意味のないものとなってしまったのです。
あるいは、最初の6回のチャレンジに失敗したナースHCは、2回目のチャレンジが失敗した試合の後、「自分が何をしているのかさっぱり分からない」と苦言を呈しました。
チャレンジ制度にコーチが順応するには、もう少し時間がかかるようです。
たった1年で十分なデータが得られるかどうかは分かりませんが、時には勝利をもたらすこともできる制度だけに、使わないという手は無いでしょう。
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