2019-20シーズンのマイアミ・ヒートは大きな飛躍を遂げましたが、彼らには差し迫った一つの問題があります。
それは、ゴラン・ドラギッチ、デリック・ジョーンズJr.、ジェイ・クラウダーといったチームに貢献している選手や、いずれ復帰するであろうマイヤーズ・レナードが、今年のオフシーズンに揃ってフリーエージェントとなってしまうことです。
最終的な結果を見届けることができればいいのですが、最悪なことに今シーズンは新型コロナウイルスの影響で中断されてしまったため、今後どうなるのかは誰にも分かりません。
2020年のサラリーキャップに変動が無かった場合、ヒートはオフシーズンに約2,700万ドルのキャップスペースを得ることができます。
さらに、もしケリー・オリニクが来シーズンの1,320万ドルのプレイヤーオプションを行使しなかった場合、ヒートのキャップスペースは約4,000万ドルとなり、2020年のオフシーズンで最もキャップスペースのあるチームの一つとなるでしょう。
しかし、これは夢のある話のように見えますが、2020年のフリーエージェント市場はそれほど注目度が高くなく、ヤニス・アデトクンボをはじめとした多くのスター選手がフリーエージェントとなる2021年の方が大いに注目されています。
実際のところ、ヒートも2021年のフリーエージェントに焦点を当てていると予想されているため、今年のオフシーズンに長期的な契約を結んでキャップの柔軟性を減らすことは、できる限り避けたいはずです。
チームが現在のロスターで優勝争いができることを証明できたならまだしも、先述したようにシーズンが中断してたことによって、フリーエージェントの価値の見極めが難しくなっているというのは、ヒートにとって非常に厄介なところでしょう。
最も考えられる選択肢の一つは、ドラギッチやクラウダーらに、1年間の再契約を提示するということです。
ただ一方で『Miami Herald』のバリー・ジャクソン記者によれば、今年2月にメンフィス・グリズリーズとのトレードで加入したクラウダーはヒートを気に入っており、「本気でここを自分のホームにしたい」と語りました。
「ここは組織全体で居心地が良い。全てがうまくいけば、みんなが揃って、来年も同じ気持ちでやりたいと思うに違いないさ」
ドラギッチも、ヒートでベンチ起用を受け入れてプレイしていることについて「幸せ」と語りました。
「楽しんでいるよ。僕は負けず嫌いだから、最初はそれ(ベンチ起用)を受け入れるのが難しかった。だけど最も大事なことは、それは受け入れてポジティブに考え、自分にとって最良のシナリオにすることだった。僕は自分を誇りに思っているよ」
ヒートはドラギッチ、クラウダー、ジョーンズJr.、レナードを高く評価しており、特にドラギッチやクラウダーは、接戦の終盤で起用されることから見ても明らかです。
しかし、彼らに長期契約を提示すれば2021年のキャップスペースに影響が出てしまい、だからといって安価な契約では、他のチームがより魅力的なオファーを提示してくる可能性もあります。
1年間の契約はヒートにとって理にかなっているかもしれませんが、選手にとってはあまり魅力的ではありません。
そういった点を踏まえると、ヒートが2020年のフリーエージェントにどのように対処するかは、非常に興味深いことだと言えるでしょう。
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