シカゴ・ブルズはこの数年間でも様々な問題を抱えてきましたが、特に今回に関しては軽視することができないでしょう。
もしブルズの今後の組織方針に変化が見られなかった場合、ラウリ・マルッカネンがブルズ以外のチームでプレイすることを望むかもしれないと、『Chicago Sun-Times』のジョー・カウリー記者が伝えています。
オフェンスにおけるマルッカネンの役割は、昨シーズンと今シーズンで大きく変化しました。
昨シーズン、マルッカネンは1試合あたり平均15.3本のフィールドゴール試投数を記録し、そのうち10フィート以上離れた位置からの2ポイントシュートの割合は全体の17.9%を占めていました。
しかし、今シーズンのマルッカネンは1試合あたり平均11.8本のフィールドゴール試投数に減っただけでなく、そのうち半分以上が3ポイントシュートが占め、10フィート以上離れた位置からの2ポイントシュートはわずか4.1%しか占めていません。
この変化が、マルッカネンとブルズの間で亀裂を生んだ理由の一つだと考えられています。
マルッカネンにとっては幸運なことに、現在のブルズは転換期にあります。
オーナーのマイケル・ラインスドルフは、バスケットボール運営部門バイスプレジデントのジョン・パクソンや、ゼネラルマネージャーのガー・フォアマンの後任を探していると伝えられているため、ブルズと袂を分かつには一つの機会となるでしょう。
ただし、フリーエージェントとなって自らの意思で別のチームへ移籍するのは、やや道のりが長過ぎます。
もしマルッカネンがトレードではなくフリーエージェントで移籍する場合、チームからの契約延長のオファーを断り、2020-21シーズンを何事も無く終えた後、2021-22シーズンのクオリファイング・オファーを受けなければなりません。
マルッカネンはブルズの中核の一人であるため、制限付きフリーエージェントとなった後でもブルズが彼にお金を使う可能性は高いことから、少なくともマルッカネンはあと2年間をブルズで過ごすことになります。
キャップの変化や、怪我の可能性を考えると、この2年間を長期保証も無しに乗り切るのは大きなリスクを伴うでしょう。
サイズとシューティング能力を兼ね備えた選手はNBAでも稀ですが、そのような才能を持ったマルッカネンを今シーズンのブルズは制限させてしまいました。
彼の成長はブルズの最優先事項であるべきで、そのように考えなければ、マルッカネンの才能を無駄にさせてしまうと共に、両者の関係悪化にも繋がりかねません。