ブルックリン・ネッツのスペンサー・ディンウィディーが、自身の次の移籍先を決められる機会をファンに提供するホームページ『GoFundMe』を設立しています。
ディンウィディーは目標額を2,463万2,630ドル(約26億3,618万円)に設定し、これを達成した場合はファンが選んだチームと最低1年間の契約を結ぶと伝えました。
(目標額の)2,625.8ビットコインは2,463万2,630ドルに相当します。目標額を達成したら、ファンの皆さんに次のチームを決めてもらい、そのチームと1年契約を結ぶことにします。目標を達成できなかった場合は、このキャンペーンの100%を慈善事業へ寄付します。
今シーズン、ディンウィディーは平均20.6得点、6.8アシストとオールスター級の数字を残し、ケビン・デュラントとカイリー・アービングが大半で不在だったネッツを引っ張っていただけに、彼の移籍先がファンの選択によって決まるのは興味深いと言えるでしょう。
ディンウィディーの現在の契約は2020-21シーズンまで保証されており、2021-22シーズンはプレイヤーオプションとなっています。
ただし『Izod media』は、このディンウィディーの考え方が団体交渉協定第13条のサラリーキャップ回避に関する条項を全面的に違反していると指摘しています。
例えば、もし目標額に達した場合、ファンはディンウィディーの移籍先を決められるかもしれませんが、そのチームのキャップスペースに余裕がなければ、本来はディンウィディーと契約することは考えられません。
しかし、ファンから集めたお金がディンウィディーの収入となる可能性がある(目標額に達した場合は寄付するとは言っていない)ため、ディンウィディーはサラリーキャップの影響を受けないミニマム契約を受け入れても不思議ではないでしょう。
したがって、これはサラリーキャップを回避する動きとなる可能性があります。
また、第三者(ここでは『GoFundMe』に投資するファン)が選手に給与を払うことも許可されていません。
結論としては、ファンがディンウィディーの移籍先を決めることは不可能でしょう。
1998年にはミネソタ・ティンバーウルブズとジョー・スミスが疑わしいほど安価な契約を結んだ事例があり、後にウルブズがスミスのバード権を獲得し、将来的により有利な状況で再契約を結びたいだけの理由であったことが明らかになりました。
結果的にスミスの契約は無効となり、ウルブズは5つのドラフト1巡目指名権を剥奪されています。
NBAはこうした違反を厳しく取り締まっており、ディンウィディーもオールスター級の選手に成長しているだけに、今回のディンウィディーの行動には気がかりなものがあります。