NBAの2019-20シーズンは4ヶ月以上の中断期間を経て、ようやく戻ってきました。
シーズン再開の初日はユタ・ジャズ対ニューオーリンズ・ペリカンズ、ロサンゼルス・クリッパーズ対ロサンゼルス・レイカーズの2試合が行われ、そのどちらも1ポゼッション差で勝敗が分かれた素晴らしい試合となりました。
NBAにとって、これ以上ないスタートを切ったと言っても過言ではないでしょう。
ここでは、そんな2019-20シーズン再開初日の”勝者”と”敗者”を振り返ることにします。
目次
勝者:ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)
3月11日に新型コロナウイルス陽性反応が明らかになり、シーズン中断のきっかけの一つとなってしまったルディ・ゴベアでしたが、自らのパフォーマンスでチームに勝利と、NBAに競争力を再び与えてみせました。
彼は33分間の出場で14得点、12リバウンド、3ブロックと攻守で活躍し、同点で迎えた第4クォーター残り6.9秒には決勝点となるフリースローを2本とも沈めました。
📹| @rudygobert27 with the first & last points of the NBA return ⤵️
14p | 12r | 3b | 80% ft pic.twitter.com/Dj8pwRWU60
— utahjazz (@utahjazz) July 31, 2020
敗者:ロンゾ・ボール (ニューオーリンズ・ペリカンズ)
ペリカンズのザイオン・ウィリアムソンの出場時間が制限されていたため、得点面ではロンゾ・ボールのステップアップが必要とされていました。
シーズンが中断される前のボールはその役割を果たしており、3月の5試合では平均20.8得点、フィールドゴール成功率53.5%、3ポイントシュート成功率51.2%を記録していましたが、4ヶ月の中断期間は彼の勢いを止めてしまった可能性があります。
ボールはジャズ戦で7アシストを記録したものの、得点面に関してはフィールドゴール13本中2本成功、3ポイントシュート4本全て失敗のわずか4得点で終わりました。
勝者:ジョーダン・クラークソン(ユタ・ジャズ)
試合開始時点では、クラークソンがこれほど大きな影響力をもたらすことは予想できなかったでしょう。
アウトサイドシュートにこそ苦しんだものの、最終的にはチーム最多の23得点を記録し、ジャズが接戦を制するために欠かせない存在となりました。
チームで2番目に平均得点が高かったボーヤン・ボグダノビッチが右手首の手術で今シーズンを終了させていることを考えると、クラークソンのパフォーマンスは今後のジャズにとって大きな希望となります。
📹| @Jordanclarksons led us in scoring off the bench ⤵️
23p | 5r | 3a | 2s pic.twitter.com/L5iHNFhzYX
— utahjazz (@utahjazz) July 31, 2020
敗者:ザイオン・ウィリアムソン(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
得点面だけ見れば、15分間の出場でフィールドゴール8本中6本成功の13得点を記録したウィリアムソンは効率的だと言えるでしょう。
しかし、今回の彼がチームに与えた影響は、これまで見てきたものとは少し違っています。
ペリカンズはウィリアムソンが出場していた15分間のプラスマイナスで-15ポイントだったのに対し、ウィリアムソンがベンチに下がっていた33分間では+14ポイントを記録していました。
勝者:カワイ・レナード & ポール・ジョージ(ロサンゼルス・クリッパーズ)
ルー・ウィリアムズやモントレズ・ハレルが欠場していたため、クリッパーズの状態は万全とは言い難く、結果的に彼らはレイカーズにあと一歩及びませんでした。
しかし、クリッパーズが誇る2人のスターのコンディションは素晴らしかったと言えるでしょう。
この日、レナードとジョージは2人で計フィールドゴール33本中18本を成功させ、58得点、8リバウンド、7アシストを記録しました。
クリッパーズがプレイオフでレイカーズを破りたいのであれば、彼らの活躍は必要不可欠です。
そういった意味では、クリッパーズはシーディングゲーム初戦で敗北以上の良いものを得られたのではないでしょうか。
勝者:レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)
ジェームズは手始めにチームメイトをプレイに参加させることから取り掛かり、実際に第1クォーターだけで5本のアシストを記録しました。
ただ一方で、試合全体を通じてフィールドゴール19本中6本成功の16得点や、5本のターンオーバーと、苦労する部分も見受けられました。
それでも、結局最後にはやるべきことをやり遂げるのがジェームズです。
同点で迎えた第4クォーター残り12.8秒にリードを奪うプットバックショットを決めると、最後はポール・ジョージに対して厳しいディフェンスを仕掛けることで、チームを勝利に導きました。
敗者:クリッパーズのサポーティングキャスト
カワイ・レナードとポール・ジョージが十分な仕事を果たした以上、残りの選手たちがスターを支えることも同じくらい重要です。
残念ながら、レナードとジョージ以外の3人の先発選手――レジー・ジャクソン、マーカス・モリスSr.、イビツァ・ズバッツは合わせてフィールドゴール17本中3本の12得点に終わり、その過程で8本のターンオーバーも記録してしまいました。
ルー・ウィリアムズとモントレズ・ハレルが居ないとはいえ、今日のようなパフォーマンスが改善されなければ、彼らが戻ってきたとしてもクリッパーズの不安は拭えないでしょう。
勝者:アンソニー・デイビス(ロサンゼルス・レイカーズ)
今日のトップパフォーマーが34得点、8リバウンド、フリースロー17本中16本成功のデイビスであることは間違いありません。
第3クォーターには、クリッパーズとのリードを縮める連続8得点を含む14得点を記録し、チームに大きな流れを与えました。
レブロン・ジェームズが苦戦していてもレイカーズが強い理由はここにあり、それは4ヶ月以上のシーズン中断を経た後でも変わらないことが証明されました。