ロケッツの再建はまだお預けか、ジェームズ・ハーデンやラッセル・ウェストブルックの放出は今年ではない

ヒューストン・ロケッツの将来は、思っている以上に深刻な問題が積み重なっています。

今年のプレイオフのカンファレンス準決勝でロサンゼルス・レイカーズに敗れた後、マイク・ダントーニHC(ヘッドコーチ)とダリル・モーリーGM(ゼネラルマネージャー)が退任したため、来季は新たなヘッドコーチとゼネラルマネージャーを雇用してから迎えなければなりません。

将来の貴重な資産であるドラフト指名権は、2024年と2026年の1巡目指名権と、2021年と2025年の1巡目交換権をオクラホマシティ・サンダーにトレードしたため、現時点で何の影響も受けていないロケッツの1巡目指名権は2022年と2023年しかありません。

かといって、フリーエージェントで優秀な選手を獲得することも難しく、ロケッツは既に5人の選手だけで約1億2,000万ドルのサラリーを支払うことになっています。

ほぼ確実に、来季の彼らは贅沢税を支払うことになります。

これらの不安な将来を考えると、ロケッツが今年のオフシーズンにでもロスターを解体して再建段階に移行するのは、最悪の選択肢ではないようにも見えます。

特にジェームズ・ハーデンをトレードすれば、チームは見返りとして非常に大きな利益を得ることも期待できるでしょう。

そして彼らの再建の決断は、遅ければ遅いほど利益が失われる可能性が高まります。

特にハーデン、ラッセル・ウェストブルック、エリック・ゴードンといった主力選手は30代であるため、いくら戦力になるとはいっても、年齢が積み重なれば他のチームは手を出しにくくなります。

しかし――それでもなお、ロケッツはまだ引き金を引く準備を進めていないようです。

最近、『Houston Chronicle』のジョナサン・フェイゲン記者はポッドキャスト『Pushin' Thru/Athletes Unfiltered』に出演した際、ロケッツが再建に向けて動き出すとは思えないと語りました。

「解体してやり直すのは、今年のオフシーズンではない。私がそれを確信できる理由は、チームがジェームズ・ハーデンに情報を提供し、コーチングや議論、考慮事項などについて彼の意見を求めているためだ。彼を放出するつもりなら、彼の意見を聞くことはないだろう」

Pushin' Thru/Athletes Unfiltered

ロケッツが今すぐに再建段階に移らないことも、一理あります。

先述したように、ロケッツは2021年の1巡目指名権をサンダーに放出しました。

これはトップ4が保護(指名権が全体4位以内であればロケッツに返還される)されていますが、全体4位以内の指名権の当選率はリーグ最低勝率を記録したとしてもほぼ50%です。

そのためにハーデンやウェストブルックを放出してロスターを解体し、チームを弱体化させるのも馬鹿げているでしょう。

ただし来年のオフシーズンになれば、状況によって厳しい決断を下す必要性は増します。

ロケッツは2024年から2026年までの1巡目指名権が手元に無いため、実質的に若い有望な選手を獲得できるチャンスは2022年と2023年の2年間に限られます。

当然それまでに優勝していれば何も言うことはありませんが、成功を収められずにその時までハーデンやウェストブルックを中心としたロスターを構築していると、それはロケッツにとって最悪の結末となりかねません。

彼らが居れば上位争いは続けられるかもしれませんが、それは上位の指名権を獲得できないことを意味し、年齢を重ねた彼らのトレード先も見つけられなくなるためです。

つまり、ロケッツは必ずしも今年のオフシーズンに変化を起こす必要は無いものの、その場合は来季に必ず成功を収めなければならないということです。

もし2020-21シーズンも再び同じ結果に終わったとしたら――来年のオフシーズンはハーデンやウェストブルックの放出を検討する本当に最大のタイミングとなるでしょう。

関連記事
ジェームズ・ハーデンやラッセル・ウェストブルックも放出の対象に?

続きを見る

『ステフィン・カリー 努力、努力、努力 自分を証明できるのは、自分だけ』

  • 原著:Marcus Thompson,2
  • 著:マーカス トンプソン,2
  • 翻訳:東山 真

歴代最高のシューターとして謳われる、ステフィン・カリーの人生にフォーカスした待望の評伝の日本語版!

ウォリアーズファンはもちろん、全てのNBAファンにオススメの一冊です!

Amazon

楽天ブックス

Yahoo!ショッピング

-
-,

© 2024 NBA TOPICS