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ウォリアーズがサンダーのケリー・ウーブレイJr.を獲得、約1,720万ドルのトレードエクセプションを利用

ゴールデンステイト・ウォリアーズが、オクラホマシティ・サンダーのフォワードのケリー・ウーブレイJr.を獲得することを、『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者が報じています。

両チームが放出した選手や資産は以下のようになっています。

サンダーウォリアーズ
ケリー・ウーブレイJr.トレードエクセプション(約1,720万ドル)
2021年ドラフト1巡目指名権(保護付き)

ここでの最大の注目は、ウォリアーズがトレードエクセプションを使ってウーブレイを獲得したということでしょう。先月の記事で詳細に触れたように、ウォリアーズはアンドレ・イグダーラの約1,720万ドルのトレードエクセプションを保持していました。

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このトレードエクセプションは他の選手と組み合わせて使うことができないタイプのものでした。つまり、ウォリアーズがエクセプションを使って獲得できるのは、1,700万ドル前後の契約を結んでいる選手のみということでした。その辺りの契約ではスター選手が存在しません。したがって、無理に選手を獲得して贅沢税を支払うくらいであれば、エクセプションを破棄することも賢明な判断であると当初は考えられていました。

しかし、ウォリアーズはエクセプションを破棄する前に致命的な出来事が起きました。スターのクレイ・トンプソンが右アキレス腱を断裂し、2020‐21シーズンを全休することになったためです。

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これによって、ウォリアーズにはエクセプションを利用する理由ができました。先述したように、1,700万ドル前後の契約ではトンプソンに取って代わるようなスター選手はいないものの、少なくとも優秀なロールプレイヤーを獲得することはできます。

そこで彼らが目を付けたのが、先日のクリス・ポールのトレードの一環でフェニックス・サンズからサンダーへ移籍したウーブレイでした。ウーブレイの来季の契約は1,440万ドルであるため、エクセプションによってトレードを成立させることは可能です。

昨季、24歳のウーブレイはサンズで56試合(平均34.5分)に出場し、平均18.7得点、6.4リバウンド、1.3スティール、フィールドゴール成功率 45.3%、3ポイントシュート成功率 35.2%を記録しました。彼は今年2月下旬に右ひざ半月板損傷の怪我を負って残りの試合を欠場しましたが、健康状態を維持することができれば、ウィングの選手を必要としていたチームにとっては意味のある補強です。

ただし、来季のウォリアーズの支出は莫大な規模になる可能性があるでしょう。『ESPN』のボビー・マークス記者は、ウーブレイの加入によってウォリアーズの支出が約8,240万ドルも増えることを指摘しました。加えて、ウォリアーズの支出がこれ以上増えないという保証もありません。彼らはミッドレベル例外条項を適用して、他の優秀なロールプレイヤーと契約を結ぶことができます。トンプソンが来季の試合に出場できないため、ディスエイブルド・プレイヤー例外条項を適用することによって代替選手と契約を結ぶこともできます。ウォリアーズはチェイス・センターにいくらかのファンを取り戻そうとしていますが、それでも新型コロナウイルスの影響によって従来の収益を大幅に下回るでしょう。

一方、サンダーはウーブレイを手放すことによって、サラリーをさらに削減することができます。ドラフトではリッキー・ルビオをミネソタ・ティンバーウルブズにトレードしたため、彼らはクリス・ポールのトレードで返ってきたサラリーの大半を消化することに成功しました。ベテランのダニーロ・ガリナリも、このオフシーズンにフリーエージェントでチームを去るでしょう。サンダーはシャイ・ギルシャス・アレキサンダーと膨大な指名権を中心に、本格的な再建に取り掛かることができるようになります。

また、彼らは十分とも思えるドラフトの資産の山に、さらに2021年のドラフト1巡目指名権を追加しました。ただし、この指名権はややウォリアーズに有利なものとなっています。『The Athletic』のアンソニー・スレーター記者によれば、この指名権はトップ20保護となっているため、指名順が20位以内であった場合はウォリアーズに返還され、21~30位であればサンダーに譲渡されます。もし指名順がウォリアーズに返還された場合、ウォリアーズはサンダーに2巡目指名権を譲渡することになっています。

トンプソンの怪我はウォリアーズを優勝争いから遠ざけたかもしれませんが、ウーブレイの加入によって、少なくともプレイオフを競うだけの希望を残すことはできたでしょう。チームのフランチャイズプレイヤーであるステフィン・カリーは既に32歳であるため、ウォリアーズが悠長にタイトルを競っている時間はありません。彼らは莫大な贅沢税を払ってでも、目の前にある勝利を掴もうと全力を尽くしています。

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  • 原著:Marcus Thompson,2
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