ケビン・デュラントがブルックリン・ネッツと、ディアンジェロ・ラッセルがゴールデンステイト・ウォリアーズとサイン・アンド・トレードを行なった話には、どうやら掘り下げる部分があるようです。
トレードの内容としては、ネッツがラッセル、シャバズ・ネイピアー、トレイビオン・グラハムを譲渡する代わりに、ウォリアーズがデュラントと2020年のドラフト1巡目指名権を与えるというものでした。
このトレードで何が起きていたか、もう少し見てみましょう。
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『ESPN』のブライアン・ウィンドホースト氏が、ネッツとウォリアーズの間で行われたトレードの詳細を伝えています。
そもそも、ネッツはトレードをせずとも、デュラントと契約するだけの十分なキャップスペースを持っていました。
そしてデュラントも、サイン・アンド・トレードを介してネッツに加入する利点はありません。
ラッセルでさえも、ロサンゼルス・レイカーズやミネソタ・ティンバーウルブズといったチームが彼を狙っていたため、サイン・アンド・トレードが必要なわけではありませんでした。
サイン・アンド・トレードが必要だったのは、デュラントをタダで失いたくなかったウォリアーズです。
しかしその結果、ウォリアーズは苦しめられることになりました。
複数の情報筋によれば、まず第一に、デュラントは当初の予定であったラッセルとの1対1のトレードに反対したのです。
デュラントはそれが公平なトレードだとは思わなかったため、ウォリアーズはネッツだけでなくデュラントも満足させる必要がありました。
そこでデュラントを満足させるためにウォリアーズが加えたのが、2020年の1巡目指名権です。
ウォリアーズは、この指名権を厳しい条件で譲渡しました。
この指名権はトップ20が保護されているため、来年のドラフトで20位以内の指名となった場合はウォリアーズの指名権となり、代わりに彼らはネッツに2025年の2巡目指名権を譲渡するだけとなっています。
ただ、それだけではありません。
ネッツはデュラントの影響力を利用し、ディアンドレ・ジョーダンと契約するためのキャップスペースを空けるために、ネイピアーとグラハムを受け取るようにウォリアーズに要求しました。
ウォリアーズはそれを受け入れ、その後ミネソタ・ティンバーウルブズへ360万ドルの金銭を加え、彼らをトレードしています。
ウォリアーズは何とかラッセルを獲得できましたが、次に起こったのがサラリーキャップの問題です。
そのため、ウォリアーズはアンドレ・イグダーラをメンフィス・グリズリーズへトレードさせるしかありませんでした。
イグダーラはまだ望ましい選手であったため、ウォリアーズはサラリーを抑えつつ多少の価値のある資産は取り戻せたかもしれません。
しかし、グリズリーズがイグダーラを不良債権のように評価したことで、ウォリアーズは2024年の1巡目指名権(トップ1保護)も手放さざるを得なかったのです。
ウォリアーズはデュラントの代わりにラッセルを獲得することで、多くのものを手放しました。
ラッセルを再びトレードする推測はありますが、やはりウォリアーズは彼を長期的に置いておくかもしれません。
ウォリアーズは何もせずにデュラントを失うことが望ましかったのです。
結局、デュラントをトレードの一部としたことで、デュラントの反感を買うことに繋がりました。
重要な主力を失う変化に対処しきれなかった、ウォリアーズの失敗だったのかもしれません。