ニューオーリンズ・ペリカンズの新人であるザイオン・ウィリアムソンは、新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断される少なくとも30日間、スムージー・キング・センターに携わる従業員全員の給与を負担することを発表しました。
こうした前例の無い危機で失業しかねない人々を、自発的な行動によって助けることは、当然ながら素晴らしいことだと言えるでしょう。
しかし、一方で疑問も残ります。
なぜ従業員の給与を負担するのが、ペリカンズではなくウィリアムソンなのでしょうか?
ペリカンズのオーナーであるゲイル・ベンソン氏は慈善活動で有名な人物であり、彼女と彼女の家族は長年に渡って、ニューオーリンズのコミュニティに数千万ドルを寄付してきました。
しかし、彼女のビジネスを支える労働者に関しては、サポートを行っていません。
ペリカンズは金曜日、アリーナ従業員の給与負担を決断したウィリアムソンへ、感謝と称賛を送る声明を発表しました。
同時に声明の中で、ペリカンズはアリーナの単なるテナントの一部に過ぎないため、それがサポートをしていない「もう少し複雑な」理由だと伝えています。
ですが、それは複雑な理由となるのでしょうか?
ウィリアムソンはそのペリカンズの一員ですが、彼が歩み寄るのは難しいことではありませんでした。
ウィリアムソンに限らず、様々な他の選手もサポートを申し出ています。
クリーブランド・キャバリアーズのケビン・ラブは、『Rocket Mortgage FieldHouse』に10万ドルを寄付することを約束し、ミルウォーキー・バックスのヤニス・アデトクンボは、ファイサーブ・フォーラムの従業員の給与を負担することを明らかにしました。
デトロイト・ピストンズのブレイク・グリフィンも、同様の動きを見せています。
首脳陣の中にも、選手と同様に従業員のことを考える人物は存在し、ダラス・マーベリックスのオーナーであるマーク・キューバン氏はその一人でした。
その他にも、アトランタ・ホークス、キャバリアーズ、ブルックリン・ネッツ、ヒューストン・ロケッツ、ワシントン・ウィザーズ、ロサンゼルス・レイカーズ、ロサンゼルス・クリッパーズ、フィラデルフィア・76ersといった首脳陣らも、アリーナ従業員の給与を負担することを計画しています。
他の首脳陣も同様のことを計画している可能性があることを考えると、ペリカンズと慈善活動家であるはずのオーナーの声明は、より驚くことだと言えるでしょう。
もちろん、これはあくまで疑問に過ぎず、チームが給与を負担するなどのサポートをしないことが悪いわけではなく、本当に何かしらの理由があるかもしれません。
むしろ、こうした動きはNBAの今後の教訓になるとも考えられます。
現状、シーズンが中断された場合のアリーナ従業員の給与は、選手やチームの動きによって何とか対処されています。
しかし、そうでない状況にも備えるため、NBAは新たに計画を立てる必要があるでしょう。
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