考察

2020-21シーズンが12月に開幕されたときの勝者と敗者

NBAが1月18日(日本時間19日)のキング牧師記念日に2020-21シーズンを開幕させることを目標にしていると報じられた数日後、今度は12月22日(同23日)の開幕が有力説として浮上しました。

もちろん私たちNBAファンにとっては、白熱したシーズンが見られるタイミングが早まることは非常に喜ばしいことです。

その他にも、2020-21シーズンの開幕が早まることによって恩恵を得るチームや人々もいるでしょう。

しかし、中には損をするチームや人々もいます。

ということで、ここでは2020-21シーズンが12月に開幕されたときの勝者と敗者を見ていくことにしましょう。

勝者

継続性のあるチーム

今年のオフシーズンに多くの補強を必要としないチームは、間違いなく来季の開幕が早まった際の最大の勝者の一つとなるはずです。

11月18日に開催されるNBAドラフトから12月22日のシーズン開幕まではわずか34日間しかなく、チームはこの間にフリーエージェントやトレーニングキャンプにも対処しなければなりません。

オーランドでのシーズン再開に参加できなかったチームや、プレイオフ進出を果たせなかったチームは、今年のオフシーズンの計画を練る時間がたっぷりあったかのように思えますが、大抵の場合、計画通りに進むことは無いでしょう。

重要な契約や、トレードを最小限に抑えられるチームほど、2020-21シーズンの開幕を余裕を持って迎えることができます。

全てのNBAファン

冒頭でも言ったように、来季の開幕が早まれば全てのNBAファンが歓喜の声を上げることになります。

一部のチームのファンは、つい最近までプレイオフでの激闘を見届けていたため余韻が残っているかもしれませんが、中には今年3月から来季を待ちわびているファンもいることを忘れてはなりません。

リーグの収益

なるべく早く試合を行うことを望んでいるのは、ファンだけではなく、リーグも同様です。

来季の開幕を早めるということは、ファンをアリーナに戻すことを後回しにするという意味でもありますが、その代わりにリーグは試合を放送することによる収益を得ることができます。

特に、最も注目を浴びる試合の一つであるクリスマスゲームが行われるかどうかは、大きな違いであるとも言えるでしょう。

The Athletic』のシャムス・シャラニア記者によれば、来季を12月22日に開幕させた場合の収益は、1月18日に開幕させる場合と比較すると5億ドルもの違いがあるようです。

新型コロナウイルスの影響でシーズンの中断を余儀なくされ、大規模な収益の損失を被ったリーグにとって、この数字は非常に魅力的なものです。

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敗者

各チームの首脳陣

ファンやリーグにとっては来季の開幕が早まることが喜ばしい一方で、各チームの首脳陣はその決定に間違いなく腹を立てるでしょう。

わずか34日間の中で、構想しているドラフト、フリーエージェント、トレードを完了させることの厳しさは計り知れないものです。

今年のオフシーズンに大物のフリーエージェントがほとんど市場に出ないことだけが、彼らとって唯一の救いかもしれません。

いずれにしても、来季の開幕が早まった場合は、短期間のプレッシャーの中で各チームの首脳陣がどれだけ計画通りに物事を進められるか、注目していきたいところです。

プレイオフを勝ち進んだチーム

今年3月以降に試合を行っていない8チームや、シーズン再開後にわずか8試合しか戦えなかった6チームは、来季の開幕が1ヶ月も早まる可能性があることに興奮しているでしょう。

一方でそれは、今年のプレイオフを勝ち進んだチームにとって休息の時間が1ヶ月も短くなることを意味します。

ロサンゼルス・レイカーズやマイアミ・ヒートは10月11日(日本時間12日)まで最高レベルの試合を行い、ボストン・セルティックスやデンバー・ナゲッツも9月下旬まで試合を続けていました。

約2~3ヶ月の休息で新たなシーズンを迎えるどころか、トレーニングキャンプも含まればさらに2~3週間の休息が無くなることを考えると、これは明らかにプレイオフを勝ち進んだチームには不利な状況です。

フリーエージェント

これは別の記事でも指摘しましたが、来季の開幕が早まる――もっと言えば、それに伴ってトレーニングキャンプの開始時期も早まることは、一部のフリーエージェントにとっても厄介な問題となります。

多くのチームから関心を集め、契約先に困らない選手は問題ないでしょう。

しかし、ミニマム契約を結ぶような選手は後回しにされがちなため、フリーエージェントが開始される時期によっては、契約のタイミングがトレーニングキャンプ開始後となり、チームへの合流も遅れる可能性があります。

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