今年のオフシーズンのフリーエージェントにはスター級の選手が少ないことから、各チームの補強の主戦場はトレード市場となる可能性が考えられます。
実際にニューオーリンズ・ペリカンズのドリュー・ホリデーは、トレード市場に最も名前が挙がっている選手の一人であり、チームも彼のトレードについて”堂々と議論”を行っている噂も報じられているため、彼がペリカンズを去る日はそう遠くないのかもしれません。
ということで、ここでは特に可能性があると考えられる、ホリデーを含んだ3つのトレードについて見ていくことにしましょう。
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ペリカンズがドリュー・ホリデーのトレード交渉について”堂々と議論”か、複数のチームが獲得に関心の噂
デンバー・ナゲッツ
ペリカンズ | ナゲッツ |
ドリュー・ホリデー | ゲイリー・ハリス ボル・ボル 2020年1巡目指名権(全体22位) |
ナゲッツはホリデーの獲得に最も近いと噂されているチームであり、上記と同様のトレードが行われるかどうかは別にしても、彼らがホリデーを獲得することに疑問はありません。
昨季にカンファレンス決勝まで辿り着いたナゲッツですが、正直なところ、来季も優勝争いとして見なされているかどうかは微妙なところです。
ナゲッツに必要なのは、先発として堅実な活躍を期待できる別の選手であり、ニコラ・ヨキッチとジャマール・マレーの契約が長期的に保証されているため、彼らを最大限に引き立たせられるような形でトレードをまとめるのが賢明な判断でしょう。
そういった意味では、マイケル・ポーターJr.は3番目のスターとして期待ができるものの、だからといって別のチャンスを捨てる必要はありません。
ゲイリー・ハリスはディフェンス面で非常に優秀な選手ですが、オフェンス面に関しては2017-18シーズンに記録した平均17.5得点、フィールドゴール成功率 48.5%、3ポイントシュート成功率 39.6%のような成績を再現できずにいます。
しかし、ペリカンズの新たな指揮官に就任したスタン・ヴァン・ガンディHC(ヘッドコーチ)は、これまでのコーチングキャリアの中でもディフェンス面に重点を置いてきたため、ハリスをより上手く活用できる可能性があります。
また、ボル・ボルは怪我の懸念によって2019年のドラフトで全体44位指名という結果になったものの、怪我を除けば、同期の中でも上位クラスのスキルやポテンシャルを秘めている選手です。
その魅力がペリカンズに伝われば、ナゲッツは主要な選手を残しつつ、攻守で優れたホリデーの獲得に大きく近づくことができるでしょう。
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第3のスター選手を獲得するためでも、マイケル・ポーターJr.の放出には関心の無いナゲッツ
ブルックリン・ネッツ
ペリカンズ | ネッツ |
ドリュー・ホリデー | キャリス・ルバート ジャレット・アレン ロディオンズ・クールッツ |
ナゲッツと同様に、ネッツも堅実な先発選手の獲得――特に3番目のスターと呼ばれる選手の獲得を狙っているチームの一つです。
オフェンスでオンボール、オフボールを問わずに機能できるホリデーの能力は、オンボールで大きな力を発揮するケビン・デュラントや、カイリー・アービングを中心としたチームスタイルに間違いなくフィットするはずです。
また、彼のリーグ屈指のペリメーターディフェンスは、アービングのディフェンスの弱点を打ち消すことにも繋がるでしょう。
そして最も重要なのは、ホリデーがロッカールーム内の空気を乱すおそれがほとんど無いということです。
ホリデーは昨季のチームメイト・オブ・ザ・イヤーを受賞しており、デュラントやアービングの発言で様々な波紋を呼んでいたネッツにとっては、特に必要とする要素でもあります。
ただし、ネッツはホリデーを獲得するために、キャリス・ルバートやジャレット・アレンを手放す必要があるかもしれません。
26歳のルバートは昨季にキャリア最高の18.7得点、4.2リバウンド、4.4アシストを記録しており、最近では『ESPN』のザック・ロウ記者が、インディアナ・ペイサーズのビクター・オラディポを獲得するためにルバートを手放したら「驚きだ」とも指摘していました。
また、アレンは22歳でありながらリムプロテクターとしての評価は非常に高く、ペリカンズの速いペースの中でも適応することができるセンターです。
ネッツが優勝により貢献できるであろうベテランを獲得するため、若い有望な選手を手放せるかどうかが、このトレードを成立させる大きな分かれ目となりそうです。
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ネッツがペリカンズのドリュー・ホリデーの獲得に関心?
マイアミ・ヒート
ペリカンズ | ヒート |
ドリュー・ホリデー | ダンカン・ロビンソン ケリー・オリニク ケンドリック・ナン 2020年1巡目指名権(全体20位) |
2019-20シーズンのヒートは、多くの人々が思う以上に優勝に近いチームであることを証明しました。
ロサンゼルス・レイカーズとのNBAファイナルでは第6戦まで健闘した末に敗れたものの、残りの2勝を掴むために変化を起こすべきと考えるのであれば、ヒートが動きを見せたとしても不思議ではありません。
今年のオフシーズンにフリーエージェントを迎えるゴラン・ドラギッチがヒートと再契約を結ばなければ、ベテランガードの居ない彼らがホリデーを獲得しようとする可能性はさらに高まるでしょう。
この場合、ホリデーが先発ガードの役割を務めることになりますが、ジミー・バトラーやバム・アデバヨもプレイメイキングができる選手であるため、ドラギッチやナンがそうであったように、ホリデーが多くの仕事を担う必要はありません。
ヒートが印象的なルーキーイヤーを過ごしたタイラー・ヒーローを手放すとは思えませんが、一方でダンカン・ロビンソンからホリデーへのアップグレードと考えれば、このトレードは試してみる価値があります。
ケリー・オリニクやケンドリック・ナンは、レギュラーシーズンこそヒートの主要なローテーションプレイヤーとして活躍していましたが、プレイオフではどちらも出場時間が減少し、シリーズを通じてインパクトを残していたわけではありませんでした。
優勝を目指すヒートにとって彼らは物足りないかもしれませんが、まずはプレイオフ進出から目指す必要があるペリカンズにとっては、オリニクもナンも貴重な戦力となる可能性があります。
ただし、オリニクをトレードで放出するためには、彼が2020-21シーズンの1,220万ドルのプレイヤーオプションを行使して、一旦ヒートに残留する必要があります。
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ヒートとゴラン・ドラギッチが再契約について相互に関心