リーグ全体に衝撃を与えるトレードは、一年を通じて起こりやすいタイミングが2回あります。
一つはシーズン中のトレード期限直前であり、もう一つはオフシーズンの間です。
例として、昨年はアンソニー・デイビスのニューオーリンズ・ペリカンズからロサンゼルス・レイカーズへのトレードを皮切りに、ポール・ジョージがオクラホマシティ・サンダーからロサンゼルス・クリッパーズへトレードされたり、ヒューストン・ロケッツとサンダーの間でラッセル・ウェストブルックとクリス・ポールのトレードも行われました。
今年のオフシーズンも、大物選手がトレードされる可能性は十分にあります。
2019-20シーズンを通じて評価を上げた選手もいれば、チームに不満を抱いているという噂が流れた選手もおり、新型コロナウイルスによる各チームの財政的な打撃は、トレードの噂に拍車をかける要因にもなるでしょう。
ということで、ここでは2020年のオフシーズンにトレードされるか注目したい5人の選手を見ていくことにします。
目次
ブラッドリー・ビール(ワシントン・ウィザーズ)
ブラッドリー・ビールは昨年10月にウィザーズと2年間の契約延長を結び、忠誠心も示していますが、常にトレードの噂が流れていることを考えると、今年のオフシーズンも彼に注目せざるを得ないでしょう。
ジョン・ウォールとビールのバックコートデュオは、これまでにプレイオフでカンファレンス準決勝進出以上の成績を残せておらず、ウォールは怪我から復帰して約2年ぶりにコートに戻ってくることを考えると、来季もプレイオフ進出が彼らの目標となってしまう可能性が高いです。
ウォールは怪我の経歴と、4,125万ドルの莫大なスーパーマックス契約を結んでいるためにトレード先を見つけるのが難しいことから、必然的に2,875万ドルの契約を結んでいるビールに焦点が当てられることになります。
昨季平均30.5得点、6.1アシストを記録したビールの生産性は、もう一人のスター選手を望んでいるチームにとってはうってつけで、ブルックリン・ネッツやミルウォーキー・バックス、ゴールデンステイト・ウォリアーズが獲得を狙っているという噂もあります。
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バディ・ヒールド(サクラメント・キングス)
バディ・ヒールドは自身のシックスマンの役割に不満を抱いており、キングスのルーク・ウォルトンHC(ヘッドコーチ)との関係の亀裂も噂されています。
昨季は得点やショットの成功率を落としたとはいえ、適切な役割を与えられれば1試合あたり平均20得点前後は望める選手であるため、ヒールドの獲得に関心を示すチームは多いでしょう。
特に注目したいのが、フィラデルフィア・76ersです。
76ersはヒールドのような優れたシューターを必要としており、一方でヒールドも、ツイッターで76ersに関する投稿に”いいね”をしたことで話題を集めました。
とはいえ、いくら76ersとヒールドが相思相愛であったとしても、トレードの決定権がキングスにあることを忘れてはなりません。
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ドリュー・ホリデー(ニューオーリンズ・ペリカンズ)
ドリュー・ホリデーは今年のオフシーズンに最も頻繁にトレード市場で名前を見かけるであろう選手の一人で、『Yahoo Sports』のビンセント・グッドウィル記者は、ホリデーが10チームから関心を集めていることを伝えています。
リーグ屈指の2wayガードでもあるホリデーは、次なるステップに進もうとしているチームにとって非常に大きな戦力となるでしょう。
グッドウィル記者によれば、特にデンバー・ナゲッツがペリカンズを魅了できる資産を持っているほか、ブルックリン・ネッツもキャリス・ルバートが利用可能であるかどうかによって有力候補になり得るようです。
ビクター・オラディポ(インディアナ・ペイサーズ)
9月下旬にビクター・オラディポがトレードを望んでいると報道された数日後、彼はその報道について「何に基づいて出てきたのか分からない」と一蹴しました。
しかし、今年1月に右ひざ大腿四頭筋断裂の大怪我から復帰した後、負傷前のスター級のパフォーマンスを取り戻せずに苦労し、役割が大きく変わってしまったことも事実です。
オラディポの健康状態を他のチームがどのように捉えているかは分かりませんが、彼の契約が残り1年間しかないことを考えると、彼の獲得に関心を持っているチームもいくつかあるでしょう。
ペイサーズが来季の構想にオラディポを含んでいるかどうかで、彼のトレードの行方は大きく左右されそうです。
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クリス・ポール(オクラホマシティ・サンダー)
35歳という年齢と、残り2年間で最大8,500万ドルという契約によって、どのチームもクリス・ポールの獲得には非常に慎重な姿勢を続けています。
しかし、昨季に再建段階に移ると考えられていたサンダーをポールが率いて飛躍させたのは、少なからず競争力のあるチームに好印象を与えたでしょう。
文字通り”成功のために何でもする”チームであれば、ポールのトレードは十分に起こりうることです。
もちろん、サンダーはポールを放出する代わりに再建をより良く進めたいと考えるため、ポールを獲得したいチームは若い選手やドラフト指名権を手放す必要があります。
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