考察

左膝前十字靭帯断裂から復帰するクレイ・トンプソンに期待できること

ゴールデンステイト・ウォリアーズのクレイ・トンプソンは、昨年のNBAファイナル第6戦で左膝前十字靭帯断裂という大怪我を負い、2019-20シーズンの全休を余儀なくされました。

過去5年間で3度の優勝を経験しながら、2019-20シーズンはリーグ最低勝率という結果に終わったチームを見ても、トンプソンがウォリアーズにとっていかに重要な存在であったかは明白でしょう。

しかし、2020-21シーズンはトンプソンのプレイを再び見ることができます。

悲劇的な怪我から復帰する5度のオールスターに、ウォリアーズは何を期待できるでしょうか?



ウォリアーズが得られる恩恵

彼はキャリアを通じて、ボールハンドリング能力や運動能力に依存する必要がありませんでした。

その代わり、トンプソンのシューティング能力はリーグ随一のものであるため、3ポイントラインの外側では相手にとって非常に厄介な存在となります。

特にキャッチ&シュートは彼の十八番とも言えるスキルであり、実際に2018-19シーズンは次のような成績を残していました。

  • トンプソンが放ったシュートのうち、34.5%はキャッチ&シュート。
  • その成功率は40.5%で、リーグ全体では17位にランクイン。
  • さらにコーナーからの3ポイントシュート成功率は46%。

2020-21シーズンは、ステフィン・カリーやアンドリュー・ウィギンスがリムに攻撃を仕掛ける機会が再び見られるため、その時にトンプソンがアウトサイドに立っているのは脅威的だと言えるでしょう。

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シックスマンという選択肢も?

左膝前十字靭帯を断裂するまで、トンプソンは怪我への耐性が非常に強いことでも知られていました。

実際、トンプソンは8シーズン中7シーズンで73試合以上に出場しており、唯一70試合未満に終わったルーキーイヤーの2011-12シーズンもロックアウトの影響で試合数が減少しただけであり、そのシーズンも66試合フル出場を果たしています。

とはいえ、2020-21シーズンが12月に始まるとなれば、トンプソンは18ヶ月間もコートに立っていないことになるため、慎重な起用法を取るのも無理はないでしょう。

そこで考えられる可能性が、最初の数週間から数ヶ月間はトンプソンをベンチから――シックスマンとして起用することです。

たとえパフォーマンスの質が多少落ちていたとしても、トンプソンであればベンチから平均15~20得点、3ポイントシュート成功率30~40%を期待することができるため、チームの戦力をそれほど低下させるリスクが少なく、何よりも彼のコンディションを調整するのに絶好の役割だと言えます。

最大の懸念は、パフォーマンスを取り戻せるか

左膝前十字靭帯の断裂がトンプソンの今後のキャリアにどのような影響を及ぼすかは、最大の懸念の一つです。

前十字靭帯の断裂は、バスケットボール選手にとって最も復活が難しい怪我の一つでありながら、身近な大怪我の一つでもあります。

ここ数年間で前十字靭帯の断裂を経験したNBA選手の復帰後を見てみましょう。

完全復活を果たした選手たち

  • デリック・ローズ

2012年に左膝前十字靭帯を断裂。復帰後はシックスマンとして自身の地位を再確立し、2019-20シーズンは50試合で平均18.1得点、5.6アシストを記録

  • リッキー・ルビオ

2012年に左膝前十字靭帯を断裂。復帰後も先発ガードとして定着し続けており、8年間で自身が出場した514試合のうち503試合は先発出場。

  • ルー・ウィリアムズ

2013年に右膝前十字靭帯を断裂。復帰後も3度のシックスマン賞(2015年、2018年、2019年)を受賞し、復帰以降は平均17得点超え。

  • ザック・ラビーン

2017年に左膝前十字靭帯を断裂。復帰後は徐々に成績を伸ばし、2019-20シーズンは平均25.5得点、4.8リバウンド、4.2アシスト、3ポイントシュート成功率38.0%を記録。

  • クリスタプス・ポルジンギス

2017年に左膝前十字靭帯を断裂。復帰後の最初のシーズンとなった2019-20シーズンは平均19.2得点、9.5リバウンド、2.1ブロックを記録。

幸運に恵まれなかった選手たち

  • ジャバリ・パーカー

2014年と2017年に左膝前十字靭帯を断裂。復帰後も平均二桁得点を安定して記録するも、直近2年間で4つのチームを渡り歩くジャーニーマンに。

  • ラジョン・ロンド

2014年に右膝前十字靭帯を断裂。復帰後も素晴らしいパサーとしてチームに貢献しているものの、得点面に関しては負傷前と打って変わり、平均一桁得点台が続くように。

  • ブランドン・ナイト

2017年に左膝前十字靭帯を断裂。復帰後は2年間で3チームに所属し、ロンドと同様に平均一桁得点台が続くように。

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前述したように、トンプソンは運動能力に依存するプレイスタイルではないため、大きく成績を落とすことはそれほど心配しなくていいかもしれません。

負傷前のスター級の能力を取り戻せるかは分かりませんが、トンプソンの復帰がウォリアーズにもたらす影響力は、間違いなく絶大なものだと言えるはずです。

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